業界としてはアパレル系商材を取り扱う製造業で、売り手様・買い手様双方が縫製工場を営んでおられました。規模感としては、買い手様はグループ全体で数十億円規模の売上があり、売り手様は対象会社単体で1億円台半ばの売上でした。
今回は、アパレル系の上場会社グループの子会社切り離しの案件でした。 売り手様は製造拠点として縫製工場を国内に持っていたのですが、近年の最低賃金の上昇に伴い国内の人件費が高騰していることから、以前より海外移転を進めていました。そして、国内の拠点は統廃合して売却することを検討されていました。
今回の案件は、ご相談を受けてからクロージングまでの期限が半年ほどと非常に短く、スピードが求められる状況でした。というのも、親会社の方針により、売却できなければ年末までに工場を閉鎖して、従業員も解雇することが決まっていたからです。更に、売却後はグループ間取引が終了し、売上がほぼゼロになってしまうという課題も抱えていました。
なかなか買い手もいない状況の中で、うまく事業を引き継いで従業員の雇用も維持していただけるようなお相手を、短期間で見つける必要がありました。そのため、可能性がある同業他社を中心に、迅速にアプローチをかけていきました。
今回はかなりのスピード案件になっており、買い手探しは約1ヶ月という短期間で行わなければなりませんでした。その中でいかに適切な買い手様を見つけて連れてこられるかが、最大のポイントでした。
他の案件も抱えていた中で、なんとかマッチングを成約させて、数十名の従業員の雇用を維持したい一心で動いていました。
結果として、短期間で無事に成約に至り、従業員の皆さんの雇用も守られました。私は裏方の黒子で、従業員の方々に直接知られることはありませんが、みなさんの雇用を守れたことは非常に嬉しく、印象に残っています。
「スピード感」「経験」「適切な買い手を見つけてくるマッチング力」の3点がポイントだったと思います。今回の案件においては、オーナー様同士の相性というよりも、当社がいかに条件に合った買い手様を連れてこられるかが成功の鍵だったと言えます。
今回の案件は親会社の方針により、期間内に売却できなければ廃業せざるを得ないという厳しいスケジュールの制約がありました。また、大きく損失が出ない金額での譲渡が絶対条件という金額的な条件もありました。
そのなかで、どちらの条件も満たすお相手をご紹介できたことが、1番満足していただけたのではないかと思います。
売り手様は、グループ間取引がほぼ100%を占めていたため、グループから切り離されると売上がゼロになるという状況にありました。
そのなかで、ほとんど同じような業種の買い手様とM&Aを行い、2年ほどで新たな仕事も徐々に入ってきている状況です。
最近、買い手様と連絡を取ったところ、「2年ほどで黒字化を達成し、今では自社グループでも主力となるような拠点に成長できた」とおっしゃっていました。
今回の案件では、M&Aが成立しなければ従業員数十名の解雇を避けられない状況でしたが、M&Aを通じてその雇用を維持できたことが1番のポイントだったと思います。M&Aを行うことで、このように雇用の維持を実現することも可能です。もし、会社や事業の廃業をお考えであれば、M&Aも一つの選択肢としてご検討いただき、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
株式会社コスモスコンサルティング
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株式会社YKフューチャーコンサルティング
株式会社M&A Biz
今回のM&Aは、廃業寸前に追い込まれた国内縫製工場が、新たな未来を手にする再生の物語でした。親会社の方針で売却期限が厳しく設定されている中、スピード感を持って理想的な買い手様を見つけることができ、従業員数十名の雇用を守ることができました。
買い手様との新たなスタートから2年後、黒字化を達成し、グループ内でも重要な拠点となったという報告を受けたときには、大きな達成感を覚えました。短期間で成約を実現するスピード感と、条件に合致した買い手を見つけるマッチング力が成功の鍵でした。
M&Aは廃業の回避だけでなく、事業の再生と新たな成長を実現できる選択肢です。同様に厳しい状況でお悩みの方も、ぜひ一度ご相談ください。豊富な経験をもとに、最適な解決策を全力でサポートいたします。