譲渡企業様は戸建て住宅向けの建設資材を製造しており、年商は約10億円の企業でした。譲受企業様は住宅も含めて様々な業界への木材資材の卸売をメインに、一部製造も手がけている年商数百億円規模の企業でした。
大きく2つの理由があります。1つ目は、ご自身の病気の問題です。オーナー様は当時70歳代半ばでしたが、お元気であれば80歳、90歳になっても仕事を続けていきたいと考えておられました。しかし、ここ数年で大きな病気を患われ、トップに立って仕事を続けるのが難しくなっておりました。
2つ目は、後継者問題です。オーナー様は、後継者候補として専務を務めるご子息に期待を寄せていらっしゃいました。 しかし、ご子息は会社の管理や円滑な運営を支える「縁の下の力持ちタイプ」の人材で、自身で方針を決め、新規事業の立ち上げや開拓を行っていくのは難しいのではないかと判断されました。結果として後継者が不在の状況となり、M&Aをご決断されました。
希望通りの条件で、M&Aができるのか気にされていました。オーナー様は自社のプロダクトに強い自信をお持ちで、実際に私から見ても非常に優れたものでした。このプロダクトを世の中にしっかりと発信し、さらに会社を成長させられる相手を見つけられるかどうかが、唯一の不安要素だったようです。
オーナー様は別のM&A仲介会社にも相談されており、弊社も合わせて合計3社にサポートを依頼している状況でした。私がお声掛けをした時点で、既に他のM&A仲介会社経由で一社とトップ面談を行う方向で話が進んでいました。
しかし、私と初回面談を行った際に、「トップ面談を行う予定の会社も含めて、しっくりくるような提案が受けられていない」というお話をされていました。そこで、オーナー様に寄り添うことが大切だと思い、M&Aをするならどのような会社が理想なのか、業種やエリア、経営者のパーソナリティも含めて細かくヒアリングを行いました。
そして、2回目の面談時には、通常50~100社のロングリスト(譲受企業候補リスト)を提示することが多い中で、私はあえて、厳選した5社のみをご提案しました。初回面談で深いところまで議論ができていたこともあり、提案した5社についは全て「希望を叶えてくれそうな会社だね」と言っていただくことができました。 大きな信頼を得られたと感じましたし、実際に他のM&A仲介会社にはこの時点で候補先の紹介を中止するよう申し出たと伺いました。
結果として最初に提案した5社とはご縁がなかったのですが、その後も譲受候補企業の選定にはかなりこだわり、追加でご提案した5社の中から無事にマッチングすることができました。
オーナー様のご意向をしっかり伺い、希望に沿ったご提案を心がけたことで、私をお選びいただきご支援させていただくことができたと思います。
やはり、オーナー様に寄り添い、希望に沿ったご提案ができたことで、信頼を得られたこと、その結果他社ではなく私を選んでいただけたという点が最も印象に残っています。
借り入れがなく、売り上げも伸びている会社だったため、その後のプロセスは非常にスムーズに進めることができました。譲渡企業様は同業他社とも契約をしていた中で、信頼を勝ち取って実質的に専任のような形でサポートできことは、大変嬉しくもあり成約をご支援できた最大の要因だと考えています。
従業員が辞めることもなく、トップ面談で話した通りに運営が進んでいることに満足されています。基本的に運営自体は任せるものの、必要な設備投資や営業等は譲受企業側が主体的に責任をもって対応することや、会社を成長させていくことがオーナー様の強い希望でした。これまで譲渡企業様は限られた地域のハウスメーカーのみに建築資材の供給を行っていたのですが、全国展開に向けて早速譲受企業様から支援を受けているという話も伺っています。「約束をしっかり守り、イメージ通りに事業を進めてくれる譲受企業様で安心した」とおっしゃっていました。
譲渡企業オーナー様はご病気を患われて引退しなければいけない状況になり、後継者もいないなかで次期経営者を必ず見つけなければいけないという課題を抱えていらっしゃいました。
そのなかで、後継者となる人材を投入し、「会社を成長させたい」というオーナー様の願いを実現してくれる譲受企業様に出会うことができました。M&Aが成立してまだそれほど日は経っていないのですが、非常に好調なスタートを切れたという話を伺っており、非常にいい形でM&Aを実現できたのではないか感じています。
M&Aをご検討される際に、M&Aの仲介専門会社や身近な経営者仲間など相談できる相手はたくさんいます。
特に譲渡企業様は、今回ご紹介した事例のように、複数の専門家に意見を求めて、信頼できるアドバイザーにサポートを依頼することが大事だと考えています。すでにアドバイザリー会社にご依頼されている場合でも、セカンドオピニオンをご提供することも可能です。このインタビュー記事を読んで、少しでも興味をお持ちいただけましたら、ぜひご相談いただければと思います。
株式会社コスモスコンサルティング
株式会社コスモスコンサルティング
株式会社コスモスコンサルティング
株式会社YKフューチャーコンサルティング
株式会社M&A Biz
株式会社M&A Biz
売主様は創業者で子どもも社内にいましたが、会社の成長発展や従業員の処遇向上のためにM&Aを選択されました。業績は堅調なため譲渡するか迷われていたのですが、ご年齢とご病気のことを考慮して譲渡する決断をされました。業績が伸びているためお相手となる企業には強い拘りがありましたので、拘りポイントを確りとヒアリングしてお相手候補企業を選定した結果、譲渡対象会社が行っている事業に進出したい意向のある、勢いがある会社とマッチングすることができました。お相手候補とマッチングするのに4ヶ月ほど、マッチングしてからクロージングまでは3ヶ月ほどでした。