辻松 律男
東京都東京都千代田区大手町1ー7ー2 東京サンケイビル27階辻松様: 山一證券株式会社に入社し、株式公開の営業に従事しておりました。
特に事業承継に関連した株式営業を担当し、事業承継対策としてM&Aが近年流行している中、当時は株式の公開を通じて流動化を図る形でご支援させていただきました。
この経験を含めると、事業承継には三十年間携わってきたことになります。その後、山一證券株式会社が自主廃業による倒産を迎え、外資系証券会社であるメリルリンチへ転職しましたが、ワールドトレードセンターでのテロ事件を契機に、アジア事業の縮小が決定しました。
その際、山一證券のOBの方から後継者対策を中心とした事業承継のM&Aを行っている会社があると紹介を受け、OBの方が在籍していた株式会社日本M&Aセンターへ入社しました。
株式会社日本M&Aセンターが上場した後、独立したいという思いが強まり、株式会社M&A Bizを立ち上げました。
新入社員としてスタートした時から現在に至るまで、一貫してM&Aに取り組んでおります。
辻松様: 弊社は本当に小さな会社ですが、前職である株式会社日本M&Aセンターのような大規模な企業では対応が難しい、小規模な会社様や中小企業の経営者様をご支援したいという想いで運営しております。
ただし、一人で全てに対応することは難しいため、独立して事務所を構えている会計士や弁護士の先生方とのネットワークを活かし、チームを組んで行なっております。M&Aは業種や業態によって得意な分野が異なるため、その案件に適した士業の先生をコーディネートし、ディールメイクを進めていきます。基本的には、ディールが成約に至った段階でチームを解散する「ワンディール・ワンチーム」という体制で取り組んでいるため、これが他社様との大きな違いです。
それぞれの先生方は独立しており、高いクオリティと非常にプロフェッショナルなスキルを備えています。専門性の高いサービスを提供しながらもコストを抑えることができるため、M&Aの品質においては大手仲介会社に劣らないと自負しております。
辻松様: 長いキャリアの中で、ほとんどの業種に携わってきたため、各分野の注意点を踏まえた対応が可能で、自画自賛になりますが、豊富な経験と実績があります。その中でも特に好きな業種は、メーカー業です。
メーカー業では、製造過程全体を把握していないと適切に対応するのが難しいです。例えば、M&Aが成約する前に製品が完成しているのか、それとも成約後に完成するのかによって、何か問題が発生した際の責任の所在が変わることがあります。
その点も踏まえ、私自身がものづくりに対する強い興味を持っており、工場での製造過程を見ることも楽しんでいるため、メーカー業が最も好きな業種です。
辻松様: 正確な件数は把握していませんが、100件以上の案件を手掛けてきたと思います。
自分がメインで関わった案件もあれば、サブで関わった案件も多く、経験は豊富だと自負しております。
辻松様: 一般的なM&A仲介会社とは違い、実際に中に入ってコンサルティング業から行うことが弊社の強みです。
実際にご支援させていただいた案件では、1年間顧問として企業に入り、大企業のグループ会社になっても問題がないように内部統制を整備しました。
最近では、昭和の時代から残っている組合規定や従業員規則が整備されていない企業様が多く見受けられます。そのような企業様に入らせていただき、営業会議にも出席しながら社員の方々と交流を深め、企業の実態を把握するよう努めています。
私が企業に入ることによって、M&Aにより自社が売却される可能性があるという状況が社員の方々に伝わることがあるかと思います。しかし、社員の方々は社長様の将来を一番不安に感じているため、基本的にはそのことを理解しておいても良いと考えています。
また、中小企業の場合、借入金が多くて経営が困難な企業が多いです。そのため、M&Aを提案すると借入金を理由に難色を示されることがありますが、利益が出ていない部分やその原因、利益の出し方まで精査し、適切な経営戦略を立てる支援を行っています。
会社分割や事業譲渡を提案し、借金返済の資金繰りについてもオーナー様と話し合いながら進めていきます。このため、単なる仲介にとどまらず、経営の一部としてご支援させていただいている点が、弊社の特徴です。
辻松様: 「正直であること」を大切にしております。
経営者様に対しても、M&Aを仲介する立場やアドバイザーに対しても、嘘をついてはならないと考えています。また、嘘が判明するタイミングによって心象が変わるため、お客様にはすべてを正直にお話しいただくようお願いしております。
相手が言っていることと異なる情報を伝える仲介会社も多いですが、私の場合は正直にお伝えします。ただし、そのまま伝えるのではなく、伝え方にはテクニックがあります。
嘘をついてはいけませんが、話し方の順番を考え、伝えた後に自分の案を提示するという方法を取っています。そのまま伝えると誤解を招き、取引が終了してしまう場合がありますので、自分なりの解答を準備しながら伝えるよう心がけています。
辻松様: 静岡県での案件が特に印象に残っています。会社分割によってA社とB社が経営統合された案件であり、日経新聞にも紹介された良い事例となりました。
双方の経営者様同士で、経営統合後の方向性について一年間議論するPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)を実施しました。
会社分割により事前に社員の方々には情報が伝わり、中には難色を示す方もいらっしゃいましたが、工場の統合や経費削減によって売り上げが向上し、非常に良い案件となりました。
また、別の案件で印象に残っているものがあります。
以前のM&Aでは、経営者同士で話し合いを進め、成約後に社員の方々に情報を伝えるのが一般的でした。しかし、あるオーナー様が「社員に話さずに調印するのは自分の方針に合わない」とおっしゃり、調印前に取締役会を開き、社員の方々にもすべての情報をお伝えすることとなりました。
それが調印式の前日だったのですが、オーナー様の意向を尊重し、調印式を中止にし、正式に取締役会を開いて社員の方々に伝えた上で合意してM&Aを行いました。
結果として無事に成約に至ったのですが、この件を契機に、M&Aの前には社員の方々にすべての情報をお伝えするようにしています。この方法によってトラブルが防げるだけでなく、リスク防止にもつながると考えています。
辻松様: 私が住んでいる埼玉県は、うどんの町として知られており、「武蔵野うどん」が有名です。
レビューサイトで評価の高いお店を探し、休日には妻と二人でうどんを食べに行っています。
辻松様: これからますます事業承継に関するM&A案件が増加すると予想されるため、会社の規模にかかわらずご支援を行っていきたいと考えています。
また、これまでIPOや株式公開の業務にも従事してきた経験を活かし、株式公開を目指す企業様の支援にも積極的に取り組みたいと思っています。将来的には、ファンド会社に参画し、MBIやMBOの形で自ら企業の経営に携わり、IPOを目指す取り組みを行いたいと考えています。
三年から五年をかけてIPOを目指す企業様をご支援できれば、それが自分のキャリアの集大成となると考えております。
辻松様:「売却」や「買収」、「事業承継」といった選択肢ではなく、まずは会社が存続していくためには何が必要かという原点に立ち返って考えていただきたいと思います。その上で、後継者の必要性や事業戦略について検討していただきたいです。
現代はビジネスモデルの変化が激しい時代です。たとえ後継者が非常に優秀な経営者であっても、分野によってはうまくいかないこともあります。また、経営者としては、会社の利益を確保しつつ、社員の雇用を守る責務があります。
そのため、事業拡大を目指す際には、売却ではなく、M&Aという資本提携を一つの手法として検討することをお勧めいたします。
今後の目的と戦略において、M&Aはあくまで一つの手段に過ぎません。最終的な判断は経営者が行うものですが、そこが揺らぐと、M&Aを行う目的が不明確になってしまいます。
地域や社員、株主、会社の存続など、総合的な観点から判断していただけるよう、経営者様にはご提案を行っております。
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