売り手オーナー様のご子息からご相談があったのがはじまりです。 息子様は公認会計士であり、年商2億円のフォークリフト販売とメンテナンス業務を営む会社の会計を担当されておりました。息子様はその会社の取締役でもあり、経営にも深く関わっておりましたが、公認会計士のお仕事もあるため、そちらの方にも力を入れていきたいということで事業承継できないかというご相談でした。息子様から事業承継対策として第三者承継M&Aという手法があることを、お父様(売り手オーナー様)にもお話いただき、その後、お父様と息子様とご一緒に弊社へ来社頂き面談にてM&Aについてご提案させていただきました。M&A後のことも含め、お父様のご意向もお伺いし、お相手様を探す方向で進みました。 本案件は成約から4年以上が経過しており、株はすべて買い手様に譲渡したものの、売り手オーナー様は技術者でもあり、仕事に対しての愛情も深い方で、株式譲渡後も日々のメンテナンス業務等を続けることをご選択され、現在も会社に残られておられます。資金繰りなど、将来的に何かあった時のために、また社員のことを考えると大手企業様にグループインした方が良いのではないかと考え、M&Aをご決断されました。アプローチする際、当初は資金力のある大手企業様が良いと考え、私はまず大手のレンタル会社様に目を向けましたが、大手レンタル会社様は企業規模が小さいことを理由として、適合しないことが分かりました。
同じ県内で他業種でもシナジーが見込める部分はないかと考えたのが、垂直統合のM&Aです。 そこで出会ったのが、同業者ではなく、建機リースの会社様でした。自社でもフォークリフトのレンタルを取り扱っており、今まで外部に委託していた修理業務を内製化できる点で先方にとってもシナジーがあるということで話が進みました。
このような案件では、売り手様側の条件や要求を乗り越えて、買い手様が持っている器や度量の大きさではないでしょうか。中小企業では色んな問題が山積しています。そのようななかでも子会社の社長としてそのまま任せる買い手様側の器量の大きさが取引の成功のカギを握っていると言えるでしょう。今回のケースでは、器量の大きさに加え偶然にも買い手の社長様と売り手の社長様の年代が同じだったこと、それぞれが会社を苦労して創業してきたという共通する部分があったことなどが重なり、買い手様側の社長様が売り手様側の社長様に対して「頑張ってやってください」と激励し、売り手様側も「すべてお任せします」と全面的に信頼を寄せるという形で意気投合したことがキーポイントだったと思います。
すぐには候補先が見つからなかったことです。本件の買い手企業様に出会うまで、2年程、何度も様々な企業へご提案しても条件面や数字の面でお断りされることが多々ありました。何社も何社も当たっていく中で、ようやく巡り会えた買手様でした。どちらも未上場企業様でした。
それはありませんでした。理由がはっきりしているからです。昔はそういった話を聞くこともありましたが、今ではM&Aの抵抗もなくなってきているので、理由が明確であればほとんどありません。その他には、そこに至るまでに時間をかけていることが大きいのではないでしょうか。その間には「一緒になっていろんなことをやろう」という夢もあるし、資金繰りの面でも全て買い手様側が担当してくれるため、オーナー様は自分のやりたい業務に集中できるようになります。それによって、経営者様は資金繰りという面倒なことから解放され、得意な本業に集中できるようになります。結果として、経営者様は本来の強みを活かすことができ、自由に発想を広げることができます。 ただ、今回のケースは会社に社長として残るケースだったので会社から離れる人だったら寂しいかもしれません。譲渡する側のオーナー経営者にとって株式譲渡する前夜には、今まで想いがフラッシュバックする話しを良く耳にします。
企業がこれから先、稼ぐ力を向上させるためにM&Aを考えなければ生き残っていけない時代がきています。M&Aは前向きな成長戦略の1つ、経営戦略のツールの1つです。あとDX・AIの活用、この3つは絶対だと思います。M&Aは、経営者様にとって強力な成長戦略となる手法のひとつだと思います。 特に、経営資源を効率的に活用し、規模のメリットを追求できる非常に有効な手段です。財務体質や人材が強化されることで今までやりたくでもできなかったDXやAIを取り入れ、それにより5人かかっていた業務を4人でこなせるようになり、時間を短縮し、より少ない人数で高い利益率を達成することが可能になります。稼ぐ力が向上します。経営者様がもしこのような効率化の重要性を考えないまま何も対策を打たないでいると10年後は稼ぐ力が無くなり競争に取り残されてしまう危険性があると感じております。
株式会社M&A Biz
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