インテリア業界において異なる分野を展開する企業様同士のM&Aです。譲渡企業様側が売上数億円規模で、譲受企業様側が百億円規模の企業様でした。譲渡企業様側のオーナー様は、親族内承継も検討されていましたが、会社の事業拡大や従業員の将来を考慮し、ひとつの選択肢として、第三者承継の選択肢も考えられておりました。特に年齢が高くなってきたこともあり、早期の決断が必要と感じられており、実行されたプロジェクトでした。
M&A会社が増加し、各社からのダイレクトメールでのアプローチも続いている社会環境の中で、どこに依頼すべきか悩まれているオーナー様もおります。今回も同様で、オーナー様が東京都の機関にご相談された際、私をご紹介いただいた形でした。お話させていただいた際に信頼していただけたことが大きく、お任せいただけました。
売り手の企業様は中小企業ではありますが、非常に優秀な成績を残されており、複数年先の売上予測が立てられている会社でした。そのため、多くの買い手様が譲り受けたいと考える企業様でした。しかし、最初に合意した企業様とは先方の都合で成約には至らず、交渉がブレイクしてしまいました。ブレイクが決まった際、オーナー様も非常にショックを受けておられました。私も信頼をいただきながら最初の候補先で成約できなかったことは非常に悔しかったです。ただ、その際、私が真摯に先方の企業に対して説明や異議を申し立てた姿勢を見て、かえってオーナー様の信頼が深まったように感じました。
最初の交渉でデューデリジェンスまで進んでいたことで、オーナー様もM&Aの全プロセスを経験しておりました。これにより、2社目の企業様との交渉ではスムーズに話が進み、結果的にM&Aが進んだ意外なケースだと感じました。
1社目のブレイクを通して、オーナー様自身が見えていなかった会社の状況が明確に可視化されました。この経験を活かし、2社目の交渉では、会社の強みだけでなく、課題もはっきりと説明できるようになりました。結果として、必要な情報を十分に整備できたため、2回目の交渉では一切のブレイクもなく、資料面でも高く評価され、スムーズに成約へと進むことができました。
譲渡企業側のオーナー様とは現在も半年に一度ほど会食をしております。ご引退後も新たな事業を考えるなど前向きに取り組まれており、ビジネスのご相談もお互いにし合う良好な関係が続いております。
インテリア業界には業績が良い企業様もあれば、厳しい状況にある企業様も多くあります。できるだけ早めにM&Aアドバイザーにご相談いただき、すぐに売却する必要はないとしても、会社の現状を分析して見える化を図ることが重要です。1人で抱え込まずに、早めにご相談いただくことが将来に繋がってゆくと思います。
株式会社HACILA
譲渡企業のオーナーは、ご自身のご年齢から親族内への事業承継や社内への事業承継をご検討されはじめました。しかしながら、事業の拡大や従業員の雇用維持・従業員の豊かな生活を実現するためには、第三者への事業承継も一つの方法だと考えてご相談をいただきました。その後、オーナーと何度も面談を重ねて、将来の会社の姿をイメージしながら協議を重ねて最適な候補先の選定を行いました。コロナ禍ということもあり最初の候補先とは合意後に破談となってしまいましたが、その経験をしたからこそ最終的に譲受先になった企業とはスムーズに合意・契約締結に至っております。大企業の候補先がいた中で中堅企業へ合意に至った大きな要因は、ご年齢が近い譲受先のオーナーの思いと若い後継者が育っているという点でした。事業承継・M&Aは、定量的な部分でも評価も大切ではありますが、最後は人と人とのコミュニケーション、そしてオーナーとアドバイザーとの信頼関係だと思っております。