仲川 康彦
東京都東京都港区青山2-2-15ウィン青山942仲川様: 1988年に新卒で、当時東証一部上場企業であった三洋証券株式会社に入社し、証券のリテール営業を担当しておりました。しかし、1997年に発生したアジア通貨危機の影響で三洋証券が会社更生法の適用を申請し、同社を離れることとなりました。
その後、縁あってアメリカのIT企業であるディスクストレージ世界最大手のEMC(現在のデル・テクノロジーズ株式会社)に転籍し、ITの営業職に従事いたしました。
2000年には、日本初のIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)専業の事業会社である日本インベスターズ証券株式会社が立ち上がり、参画のお誘いをいただいたことから、同社に移りました。そこでは、全国の会計事務所をネットワークし、富裕層向けの資産運用アドバイスを提供していました。
取締役として従事していた中で、2009年のリーマンショックの影響を受け、日本インベスターズ証券をインターネット証券最大手である株式会社SBI証券に事業譲渡しました。その後、私もSBI証券に移籍し、IFAビジネスの立ち上げに携わりました。
2012年に楽天グループ株式会社から、大阪の老舗証券会社を仲介業者として業態転換するプロジェクトの支援依頼を受けたことから、楽天に移籍し、新会社の代表取締役を務めました。
それまではM&Aに携わった経験はありませんでしたが、新会社でのビジネスを進める中で、東海地方の医療法人の理事長様から譲渡のご相談をいただいたことをきっかけに、M&Aの魅力に気づき、現在に至ります。
仲川様: 私がこれまで取り扱ってきた案件では、事業会社のM&Aも支援してきましたが、ここ数年は医療機関、特に医療法人やクリニックのM&Aが約9割を占めております。
医療機関のM&Aは、一般の事業会社のM&Aとは異なり、行政手続きなどが絡むため、専門的な知識が必要となります。そのため、医療分野に詳しいM&Aプレイヤーが少ないことから、多くのご相談が私のもとに寄せられています。
こうした背景から、医療関連のM&Aにおいては非常に強みを持っております。
仲川様: 私自身が日本インベスターズ証券をSBI証券に譲渡した際、売主としての当事者経験があるということです。
当時、私は売主側の窓口として全ての交渉を担当していましたので、売主様の気持ちを当事者として深く理解していることが、大きな強みだと思っています。
M&Aでは、条件面や経済的な要素だけでなく、それ以上に精神的な部分や感情論が大きく関わってきます。
そのため、ディールを進める中で、売主様が何を求めているのか、買主様がどのような事業を展開しようとしているのか、その意図をくみ取りながら進めていけることが、私が提供できる付加価値であると考えています。
仲川様: 売主様や買主様の気持ちをどれだけ汲み取れるかを最も重視しています。
多くの場合、初めて譲渡を経験される方が多いため、手順や工程が見えないまま進行すると、大きな不安を感じられることが多いと思います。そのため、私がディールを進める際には、必ず初めに全工程を明示し、現時点のステータスや次の工程を一つ一つ確認しながら進めるようにしています。
このように進行することで、売主様や買主様の不安が軽減され、安心してディールを進められるケースが多くあります。
仲川様: すんなりと進んだディールは多数ありますが、印象に残っているのは、トラブルではないものの、何か引っかかりがあったディールです。
一つ目は、最初に担当した東海地方の病院の案件です。
当初は医療法人の法人譲渡として進めていましたが、途中でスキーム変更が必要となり、法人譲渡から合併に変更することになりました。しかし、合併に関する事例が少なかったことから判断が難しく、所管の県への確認もしましたが、県の担当者からは「合併の事例が一つもないので分からない」との回答を受けました。
分からないのであれば、自分自身で医療法を含めて調べるしかないと考え、調査を実施しました。
私は売主様のアドバイザーでしたが、幸いにも買主様が買主側のアドバイザーよりも私を非常に信頼してくださり、一緒に調査に協力をいただくことができました。その結果、買主様とタッグを組んで問題を解決することができました。自分で調べて知見を持つことの重要性を学ぶことができ、非常に印象深いディールとなりました。
二つ目は、昨年行った調剤薬局の事業譲渡の案件です。
この案件でも売主様のアドバイザーを務めましたが、トップ面談から一週間後に事業譲渡の契約を結びました。
しかし、契約を結んだ直後に買主様が行方不明となり、その後の話が進まず、買主様側のFAも状況を把握できないという、極めて稀な事態が発生しました。
幸いなことに売主様に損害は発生しなかったため、問題は回避できましたが、ディールを早く決めることよりも、きちんとした工程を踏んでいくことの重要性を再認識させられた案件でした。
仲川様: 全国の案件に携わっているため、出張の際にはご当地の神社仏閣を巡り、ご朱印を集めることが楽しみの一つです。
健康維持のため、毎日ランニングを行っています。朝に3km、夕方に6〜7km程度走っていましたが、最近は朝にゴミが落ちているのが目立つため、陰徳を積む意味でトングと軍手を持って清掃活動を行っています。
毎朝5時くらいから清掃活動を行っており、その中でさまざまな方々から声をかけられるようになりました。これにより、より清々しい一日を過ごすことができ、極めて健康的な生活を送っています。
仲川様: 一人でもビジネスができる環境が整う時代になっていると感じているため、会社の規模を拡大する気持ちはありません。
私は以前から「ノウハウ(know-how)」ではなく「ノウフー(know-who)」という考え方を重視しています。ビジネスにおいて自分が経験を持たない案件があったとしても、経験を持つ人を知っていれば、その方と協力して案件を進めていくことが可能だと考えています。
例えば、経験のない方がM&Aに取り組みたいという場合、社員として採用するのではなく、OJT(On the Job Training)のような形でパートナーとして経験を積んでいただきながら、一緒にディールを進めています。
これにより、人件費や教育費をかけることなくディールを進めつつ、経験を積んだうえで自身で事業経営を行える仲間を増やすことができます。
仲間が増えることで、京セラの稲盛和夫氏が考案された「アメーバ経営」のように、小規模な組織でも大手企業と伍して戦えるチームを作り上げたいと考えています。
仲川様: M&Aは、売主様にとって何度も経験するものではございません。
M&A業界には、大手の仲介業者から私どものような中小の仲介業者まで多く存在しており、それぞれが独自の特性を持っています。
私は、売り手当事者としての経験を活かし、短期的な収益にとらわれることなく、売主様のご意向に寄り添い、丁寧かつ慎重にディールを進めることで、安心して譲渡まで導くことができると考えております。
ご用命の際は、ぜひご検討くださいますようお願い申し上げます。
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