不動産管理会社様でビルメンテナンス事業を行っている会社同士のM&Aです。売り手の会社様は売上数億円規模の黒字企業様で、買い手様は同じビルメンテナンス事業を手がけ、規模が数十億円の企業でした。売り手の社長ご夫妻は高齢になり、奥様も事務や経理処理に限界を感じておられました。息子様もいらっしゃいましたが、後を継がれる意向がなかったため、税理士の先生を通じてご相談を受けた案件です。
買収ニーズが多い人気業種ではあるものの、ご夫婦で経営されている比較的規模の小さい企業様のため、規模が原因で候補先が絞られるのではと少し不安な要素はございました。また、売り手様は譲渡後の従業員の待遇が維持できるかどうかについても心配されておりました。
ビルメンテナンス事業は安定収入が見込まれるため、同業異業を問わず譲受希望が多い業種です。最終的には、社長様の明るさや丁寧な対応を通じて、譲受オーナー様を決められました。
印象的だったのは、事業に関する資料や契約書資料がほとんど紙で管理されていたため、データ化する必要があったことです。オーナー様ご夫妻が休日にも関わらず協力してくださり、全ての資料をデータ化できたのはとても印象深い出来事でした。
一つは、譲渡側のオーナー様が金銭面だけでなく、従業員や取引先を大切にすることを一番に考えたことです。また、譲受側の社長様が非常に明るく、オーナー様がすぐに安心感を持てたことも成功の要因でした。
成約後は顧問税理士を通じてオーナーご夫妻も仕事から解放され、肩の荷が下りたように安心して生活されているとお聞きしております。
ビルメンテナンス事業は安定した収益が見込まれるため、多くの譲受希望者がおります。ただし、譲り渡す際には価格だけでなく、「本当にこの人に譲っていいのか」という視点で、慎重に相手を見極めることが重要だと思います。
株式会社アライアンス
株式会社YKフューチャーコンサルティング
オーナー様が金銭面だけではなく働く従業員様のことを第一に考えられた案件でした。
事業承継・M&Aは、定量的な部分でも評価も大切ではありますが、最後は人と人とのコミュニケーション、そしてオーナーとアドバイザーとの信頼関係だと思っております。