譲渡額
非公表
売上高
非公表

不動産業界の事例

従業員への想いがつないだM&A〜ビルメンテナンス業の承継成功事例〜

エリア
関東
オーナー
70代
売却検討理由
後継者不在
スキーム
株式譲渡

武田 晃直

株式会社HACILA

オーナー様が金銭面だけではなく働く従業員様のことを第一に考えられた案件でした。
事業承継・M&Aは、定量的な部分でも評価も大切ではありますが、最後は人と人とのコミュニケーション、そしてオーナーとアドバイザーとの信頼関係だと思っております。

従業員への想いがつないだM&A〜ビルメンテナンス業の承継成功事例〜



ーこの案件の概要について、教えていただけますでしょうか。

 不動産管理会社様でビルメンテナンス事業を行っている会社同士のM&Aです。売り手の会社様は売上数億円規模の黒字企業様で、買い手様は同じビルメンテナンス事業を手がけ、規模が数十億円の企業でした。売り手の社長ご夫妻は高齢になり、奥様も事務や経理処理に限界を感じておられました。息子様もいらっしゃいましたが、後を継がれる意向がなかったため、税理士の先生を通じてご相談を受けた案件です。

ーM&Aの実行にあたって、どのような不安や課題があったのかについて教えていただけますか?

 買収ニーズが多い人気業種ではあるものの、ご夫婦で経営されている比較的規模の小さい企業様のため、規模が原因で候補先が絞られるのではと少し不安な要素はございました。また、売り手様は譲渡後の従業員の待遇が維持できるかどうかについても心配されておりました。

ー案件が成約するまでの過程で、どのような買い手企業とマッチングしたのか教えていただけますか?

 ビルメンテナンス事業は安定収入が見込まれるため、同業異業を問わず譲受希望が多い業種です。最終的には、社長様の明るさや丁寧な対応を通じて、譲受オーナー様を決められました。

ーこの案件で最も印象に残っている部分について、教えていただけますでしょうか。

印象的だったのは、事業に関する資料や契約書資料がほとんど紙で管理されていたため、データ化する必要があったことです。オーナー様ご夫妻が休日にも関わらず協力してくださり、全ての資料をデータ化できたのはとても印象深い出来事でした。

想いを引き継ぐM&A〜成功のカギは信頼関係~

ーM&Aが成功した要因を挙げるとしたら、どのような点でしょうか?

 一つは、譲渡側のオーナー様が金銭面だけでなく、従業員や取引先を大切にすることを一番に考えたことです。また、譲受側の社長様が非常に明るく、オーナー様がすぐに安心感を持てたことも成功の要因でした。

ーM&A成約後、オーナー様や買い手企業との関係について教えていただけますか。

 成約後は顧問税理士を通じてオーナーご夫妻も仕事から解放され、肩の荷が下りたように安心して生活されているとお聞きしております。

価格以上に大切な、譲渡先を見極める目

ービルメンテナンス事業でM&Aを検討されている方へアドバイスをお願いいたします。

 ビルメンテナンス事業は安定した収益が見込まれるため、多くの譲受希望者がおります。ただし、譲り渡す際には価格だけでなく、「本当にこの人に譲っていいのか」という視点で、慎重に相手を見極めることが重要だと思います。