朝野 一博
東京都中央区銀座8-15-2 ACN 銀座ビル4階朝野様: 北海道札幌市出身で、実家が建設業を営んでいました。実家の建設業が不渡りを増やし、資金繰りが厳しくなった経験が私の最初のバックグラウンドであり、キャリアに大きな影響を与えました。
実家の建設業で職人として働き続けることや、経営に携わることに疑問を感じ、新たな刺激を求めて東京に移りました。大手企業での勤務を経て、様々な業種で経験を積んできましたが、元々、建設業のファンド事業に関わりたいという漠然とした思いがありました。
金融機関で法人営業・事業承継を学び、株式会社シードコンサルティングの立ち上げに携わりました。その後、M&Aの成長とチームの拡大を経て、2023年4月に株式会社シードアドバイザリーを分社化しました。
朝野様: 弊社は建設業全般に特化しておりますが、木造を扱う工務店やサブコン、ゼネコン、内装リフォームなどの建築一式の施工管理ができる業種の需要が多く、これらの業種に対する取り組みは非常に多いです。
外構工事や土木工事などの分野も対応した経験もあります。これまでに建設業の29業種中、17〜18業種を手がけた経験があり、29業種全てに対応できるよう挑戦していきたいと考えています。
朝野様: 弊社の最大の強みは、建設業に特化していることです。建設業に関する許可の要件や継続の重要性について深く理解しており、グループ全体で年間50本以上のセミナーを開催し、全国の経営者様と広くつながっています。
現在、9,000社以上の代表者様とコンタクトを取ることが可能です。年商1億円から100億円規模の企業様と携わる機会が多く、経営者様からの多様な声や課題、相談を受けるため、業種の相性を的確にイメージした企業様とのマッチングを行うことが強みです。
また、弊社グループで対応した数多くのコンサルティング業務の情報を社内で管理しているため、さらなる売り上げの向上や目標達成に向けた企画提案力に強みがあります。
業種特化だからこそ、気づかなかった視点を提供し共感していただけるような提案ができるメンバーが多いことが弊社の特徴です。
朝野様: これまでに取り組んだ中で非常に印象に残っている案件は、今月中にクロージングを迎える予定の案件です。
4月上旬にトップ面談を開始したのですが、従業員様の移行人数、入札方式の導入の有無、従業員様の報酬設計、許認可取得、物件の引き継ぎなど、取り決める内容が多く、日々の連続した意思決定に大変苦労しました。実質的に事業譲渡として清算する方向で進めさせていただきました。
事業譲渡に際して、債権者様は譲渡価格が高い方を望むものですが、従業員様の気持ちも考慮すると、取引を単に金額で決めることはできません。気持ちの面と金額のバランスを取りながら、その方向性を含めた意思決定は非常に苦労しました。
その中で従業員様に我々が支援している企業様を選んでいただき、従業員説明会で説明させて頂いた際、「お願いします」という言葉をいただいた時は感動しました。
こちら側も売主様、買主様が本当に信頼できるのか、利益が出るのか、引き継ぐ資産の中で賃貸物件について貸主様に交渉を行うなど、頭を下げて新規契約をお願いすることも多々あり非常に苦労します。我々単独ではできないことも多いため、弁護士の先生と共に同行し、事情説明やスポンサー企業様の紹介を行いながら進めております。
毎時間問題が発生し、それを必死に解決することや、譲り受ける企業様も信頼できる企業であるか、反社会的勢力でないかを確認するための書類準備やエビデンスの用意も非常に重要です。
朝野様: 趣味で10年以上バス釣りをしています。最近はポーカーもしており、アミューズメントポーカーの大会にも参加しています。
また、サウナも好きです。釣りはかなり時間がかかるのですが、ポーカーやサウナは比較的短時間で楽しめるため、空いた時間に遊びに行きます。
朝野様: 弊社は建設業に特化しているため、求められる限り仲介業務やFA業務を基盤として継続していきます。その中で報酬をいただき、メンバーにも還元していく部分もありますが、会社の現預金はしっかりと残し、将来的にはファンド事業を展開することを明確に計画しています。
弊社は協力してくださる経営者様とのネットワークを活かし、赤字や債務超過の企業を再生できる自信があります。対象企業の経営者が信頼できることと、困窮の原因が明確である場合、弊社は直接資金を提供し、株式を譲り受け、弊社メンバーを役員として出向させることで、企業を成長させるハンズオンスタイルでの支援を考えています。
私は、全てのメンバーが役員経験を積むべきだと考えています。また、代表になる必要もないと思っています。代表取締役にはカリスマ性が求められますが、中小企業が持続可能な企業となるためには、優れたナンバー2が不可欠だと感じています。
ハンズオンでの支援を目指すため、会社に現預金を残し存分に投資していきたいと考えています。
朝野様: 早急に相談することが非常に重要であり、即座に譲渡する必要はありません。むしろ、譲渡前に1年から2年をかけて企業の価値を高めることが大切です。
M&Aのプロセスの中では、すぐに売却を検討する方が多いですが、最終的に買収監査が入ると必ず問題が浮上します。多くのアドバイザーは問題の改善点を理解しているのにもかかわらず、改善に取り組んでいない場合が多いです。
弊社は時間がある経営者の方々に対して、すぐに売却するのではなく、まずは企業を磨き上げることをご提案しています。税務、財務、労務、法務の整備を行い、決算に向けて準備を整え、不足している部分は全て事前に準備します。これにより、評価額が減額されないような枠組みを作ることができます。
また、事業がうまくいっていない企業様については、連続して2期間赤字の場合は早急にご相談いただくことを強くお勧めします。ギリギリになってからでは、資金調達も自主再生も難しくなります。弊社はM&Aの会社ではありますが、譲渡が全てではないと考えており、自主再生が可能であれば、それが望ましいと考えています。
まずは、すぐに売却せず、なるべく早い段階での相談をお勧めします。後継者がいない場合でも、早めのご相談が重要です。企業価値を高める取り組みの過程で、社内から「私が引き継ぎます」という意思表明が出ることも、一つの方法と考えています。
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