民泊事業の譲渡に関する案件となります。売り手様の業界は、塾経営と民泊経営を半々でされており、売上規模としては、年商で5億円規模の会社様でした。買い手様の業界は不動産業界で売上が約80億円の会社様でした。
M&Aを実施した背景は、塾事業に注力するためでした。対象となる会社様は、社長様お一人と数名の社員様で運営されており、人的リソースが限られておりました。そのため、手間のかかる民泊事業を整理し、塾事業に集中されたい意向でした。
M&Aに際しての不安要素や課題は、複数の民泊事業をまとめて売却する必要があったことでした。一括で買い取っていただける買い手様が見つかるのかが、最も大きな懸念事項だったと思います。
解決策としては、バルクで売却した経験が何件かございましたので、まずはその事例について概要をお伝えしました。その上で、複数の事業をまとめた場合に、どのようにバリエーションが変動するのかといった点をエクセルを用いて計算しながら具体的にご説明いたしました。これにより、オーナー様に納得感を持っていただいた上で進めることができたと考えております。また、買い手様をどのように見つけたのかという点につきましては、自社のネットワークを活用し、適切な買い手様を探し出しました。
基本的にテナントを借りて運営する店舗ビジネスのため、今回は不動産のオーナー様との交渉が若干難航した部分があったと感じております。具体的には、ご契約期間や引き継ぎにかかる費用に関して、なかなか折り合いがつかない部分がございました。最終的には双方が納得できる条件でうまくまとまることができましが、この交渉過程が最も難しいポイントだったと考えております。
成功の要因として、主に2点が挙げられます。まず1つ目は、買い手様のニーズと今回の案件がぴったりとマッチした点です。民泊事業は1件ごとの営業利益が多くても数百万円程度ですが、今回は複数の物件をまとめて譲渡する形となり、その金額がかなり大きくなりました。その大きな額の民泊事業を予算内で可能な限り多く購入したいと考えていた会社様とシナジーが生まれました。この点が、最も大きな要因だと考えております。
2つ目の要因は、物件の立地に関する点です。買い手の会社様は新宿を拠点としており、今回の物件も新宿を中心に分散して配置されていました。そのため、物件の管理が非常にしやすかったことも成功に繋がった要因の一つだと思います。
オーナー様が最も満足されている点は、会社のリソースをうまく移動させることができた点です。人員や資金がすべて学習塾に集中することとなり、その結果、心理的な負担や体力的な不安が解消されたのではないかと考えております。
営業利益が予想以上に増加しました。最初は1つのOTAで運営しておりましたが買い手企業様に余裕があったため、複数のOTAに登録したり、一部を内製化したりする工夫がされました。その結果、予想以上の営業利益を上げることができたことが最も良かったと考えております。
現在、バルクで運営されている方も、1件のみ運営されている方も、いずれも買いたいというニーズは強くあります。そのため、もし売却を真剣に考えているのであれば、一度チャレンジしてみることは非常に良い選択肢だと思います。
株式会社TabijiPartners
株式会社アルファコンサルティング
ヘリテージパートナーズ株式会社
株式会社TabijiPartners
本記事では、塾事業への集中を目的として民泊事業を一括売却した成功事例について詳しく解説しております。売り手オーナー様が抱えていた「複数物件のバルク売却の困難性」という課題を、過去の事例や適切なバリエーション算定によって解決した点が印象的です。また、買い手企業様のニーズとのマッチングや物件の立地条件が成功を支える要因となりました。不動産オーナー様との交渉や複数のOTA登録を通じて営業利益を拡大した事例は、多くの民泊事業者様にとって参考になれば幸いでございます。