2021年4月30日(金)に成約された、法務分野に特化した人材サービスを提供する株式会社More-Selectionsの代表取締役社長 上原氏による株式会社パソナグループへの100%株式譲渡及び吸収合併取引です。
当社は、本件において、売主である株式会社 More-Selections代表取締役社長 上原氏のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)を務めました。買手である株式会社パソナグループは、企業の事業領域がグローバルに拡大する中で、コンプライアンスの徹底のほか、商標や知的財産管理の業務が増加する等、法務人材の需要が拡大していることを背景に、法務分野に特化した人材サービス(人材派遣・人材紹介・企業法務部門向けの情報サイトの運営等。司法試験の受験経験を持つ法務人材が多数登録)を提供していた株式会社More-Selectionsを子会社化することで、専門分野での企業需要に応えるともに、事業に関わるオペレーションの効率化に努めることで、事業の更なる拡大を目指されることを企図され、本件取引を実行されました。
なお、売却価格は非公表となります。
本件取引における売主もM&A取引は初めての挑戦であったため、そもそもM&A取引が成約に至るのか否かが1番の不安や課題であり、次いで、仮に制約に至るとした場合の売却価額に不安や課題を抱いておられました。 後者の売却価額については、類似事業とも考えられる法務関連のスタートアップ企業が、同タイミングでM&A取引を成約され、売却価額が上場企業のIR情報として開示されていたことも売主の課題感を増幅させておりました。当該スタートアップ企業は、業歴が浅く、過去の業績を確認させて頂いたところ、過去数年に渡り当期純損失を計上し続けていたにも関わらず、当該取引当事者以外の第三者が評価した場合に正当化できない高水準の売却価額で取引が成立しておりました。従って、株式会社 More-Selectionsのように、15年超の業歴、過去数年に渡り当期純利益を計上し続け数億円超まで利益剰余金が蓄積されていた同社の場合、公正価値(フェア・バリュー)を幾らと定義すべきかが大きな課題でした。
売却を検討した理由は、売主が15年前に実現したいと考えておられた世界観(司法試験受験生の社会的な活躍機会の向上)をある程度実現されていたためです。そのため、事業をパソナグループに譲渡するという決断に至りました。
「結果を出す」ことです。結果を出し、依頼主の期待を超えられなければ、プロフェッショナルとは言えません。プロフェッショナルとして、売主が抱えていらっしゃる課題を解決するとともに、 その後の売主の人生や、従業員の人生への影響にも配慮し、結果を出すことを意識してきました。
最大の要因は、一言で申し上げると、「タイミング」だと思います。当然、プロセスを進める中では、様々なM&Aに関する高度な専門性に基づく課題解決が必要となりましたが、それらは前提条件であり十分条件ではありませんでした。
当時、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がどの程度、世界に事業に影響を及ぼすかが不透明な環境下でしたが、買手である株式会社パソナグループは業績的な観点においてポジティブな影響を受け、最終利益が大きく増大しているタイミングでした。これにより、一定の投資余力が生まれていたことが最大の要因であったと考えております。加えて、株式会社 More-Selectionsと株式会社パソナグループは、過去に一度、業務提携を模索していたこともある等、既に一定の関係性を有しておられました。この2つが重なった結果、株式会社パソナグループとしては、業務提携模索時に描いたシナリオを実現すべく、株式会社 More-Selectionsの株式譲受をご決断されたのだと考えております。
売主のご希望譲渡価額等の条件を上回る条件で成約に至ったことです。また当該結果に至るまでに、可能な限りご不安を感じさせない形で、結果にたどり着いたということにもご満足頂けたと考えております。また、約4年経過した今でも、株式会社More-Selectionsの従業員の皆様がパソナグループ様内で順調に幸せな仕事人生を歩まれていると聞き及んでおり、この点においても今尚ご満足頂けておる点であると考えております。
当該オーナーとは、2社目の売却取引に取り組み、2024年12月に2件目の成約を実現致しました(株式会社NUによる就労継続支援B型事業所運営事業等の特定非営利活動法人ゆくりこへの事業譲渡)
。 2件目の案件も、当社は、売主のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)としてご起用頂いております。1件目のサービスにご満足頂けていなければ、2件目に再度ご依頼頂くことはないので、 プロフェッショナルとして明確にご評価頂けているのだと考えております。
当社は、M&Aに関する高度な専門性に加え、人材業界のCEO・社長と直接コミュニケーションを取れるネットワークがございます。直接CEO・社長に機会をご提供できることは、売却スピードや確度を高めることに繋がり、結果を出すための大きな付加価値であると考えております。
株式会社サーキュレーション