荒蒔様: 前職時代に、M&A業務に携わる機会をいただきました。その際に叩き込まれたのが、「M&Aは買収・売却を通じて企業の付加価値の向上を図る一手段であり、M&Aは決して特別なものではない」ということです。
その後、ある企業を支援する中で、これまで培ってきたM&Aの専門性を活かしながら、後継者がいないという理由だけで廃業や倒産を余儀なくされる中小企業を何とか支援できないか考えるようになりました。
そして、2013年7月に独立し、現在に至っております。2024年8月をもって、M&A業界に携わってから丸28年目を迎えました。
荒蒔様: 当社は6月決算のため2024年6月30日時点の実績にはなりますが、これまでに73件の案件に携わってまいりました。
内訳としては、企業価値の向上を目的とした支援が65件と最も多く、独立のきっかけとなった事業承継に関しては7件の支援実績がございます。事業再生に関しては、当社ではあまり取り扱っておりませんが、1件の支援実績がございます。
特定の業種や分野に特化しているわけではありませんが、2024年問題の影響もあり、2024年4月までは特に運送業の支援に数多く携わってまいりました。
荒蒔様: 自分のことを申し上げるのも恐縮ですが、私の強みは大きく3つあると考えております。
まず1つ目はコミュニケーション能力です。コンサルティング業務において必要不可欠なスキルであり、プレゼンテーションも得意としておりますが、一方的に話すのではなく、場の空気を読み、人と人との調和を意識しながら会話を進めることを得意としております。初対面の企業代表者にもリラックスしてお話しいただけるような、社交性を持っていると自負しております。
2つ目は、最上志向に裏打ちされた目標設定能力です。できるだけ良いものを目指し、企業にとって最善かつ最高の目標を設定し、その達成に向けた取り組みを常に意識しております。
3つ目は、目標志向をベースにした実行推進能力です。目標を立てた後は、その達成に向けて計画を策定し、確実に実行に移します。具体的には、現状と課題を正確に把握し、その解決策やスケジューリングを考え、着実に推進することを得意としております。
荒蒔様: 企業代表者の方とお話しする際は、「その企業はその業界におけるプロフェッショナルである」という前提のもと、常にリスペクトの気持ちを持って接しております。一方で、私は他業種を含めた異なる観点から支援を行うことができるため、「企業代表者と共に、より良いものを目指していく」というスタンスで取り組んでおります。
また、過去には諸事情により、成約直前で急遽破談となってしまった案件がございました。その経験を踏まえ、「M&Aは最後の最後まで何が起こるかわからない」ということを常に肝に銘じ、支援に取り組んでおります。
荒蒔様: 象徴的なエピソードとして、現在の自分自身への戒めとなっている案件がございます。創業以来、企業代表者とともに会社を支えてこられた専務への事業承継を進めていたのですが、成立直前に専務の奥様から反対を受け、急遽従業員承継が破談となったことがありました。
最終的にはM&Aを活用した第三者承継という形で成約できたのですが、それ以来、M&Aの案件を支援させていただく際は、「最後の最後まで何が起こるかわからない」ということを、戒めとして肝に銘じています。
荒蒔様: 私は身体を動かすことが大好きで、学生時代はバスケットボールに熱中していました。実は、弊社の社名もバスケットボールのポジションにちなんで名付けております。
現在はさすがにバスケットボールを続けることはなくなりましたが、ウォーキングを趣味としており、時間を見つけては積極的に歩くようにしております。目標は1日12,000歩です。特に出張先では、時間が許す限り街の散策を兼ねてできるだけ歩くことを心がけております。
また、国際ロータリーという経営者団体に会員として所属し、「世界で良いことをしよう」を合言葉に、国内外を問わずさまざまな奉仕活動の企画・実行・推進に取り組んでおります。
荒蒔様: 会社としては、さらなる事業拡大を目指しております。一方、個人としては、これまで培ってきたM&Aの専門知識を後世に伝えられるような仕組みを構築したいと考えております。
具体的には、「M&Aアカデミー」のような形を想定しており、学校組織として展開するのか、オンライン形式とするのかはまだ明確には決まっておりません。しかしながら、いずれの形であっても、自身の培ってきた専門性を次世代に伝える仕組みを構築することを目標としております。
荒蒔様: 冒頭でも申し上げましたが、M&Aは決して特別なものではありません。私自身、そして弊社としても、M&Aは「利益を上げるための4つ目の経営施策」と位置づけております。
1つ目は自社として売上を向上させる取り組み、2つ目は利益の観点から原価を削減すること、3つ目は販売管理費を削減することが挙げられます。そして4つ目が、自社の力だけではなく、他社の力を借りて利益を上げることです。具体的には、「新規顧客や市場の開拓、新規商品の開発などをM&Aを通じて実現することができるのではないか」と考えており、今後もこの考え方をベースに提案を続けてまいります。
また、仮に売却を選択する場合でも、自社の利益率を向上させる観点からすれば、広義の意味でM&Aは利益を上げるための重要な経営施策と言えるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、M&Aは決して特別なものではなく、経営施策の一つとして積極的にご検討いただければと考えております。