売り手様は、リゾート事業及び介護事業を営んでおられました。
祖業はリゾート開発だったのですが、その後同じエリアで介護事業もスタートされました。
私自身が介護事業者様とは交流があり、非常に親しくさせていただいています。売り手様とはそのコミュニティで知り合いました。売り手様の業容は、介護事業が売上高30億円ほど、加えてリゾート事業も手がけられておられました。
買い手様は建築資材卸の会社で、建築資材卸からスタートして、現在は建築業も行っており、リゾート地に比較的簡易に建てられる別荘の建築もされています。これまでに培ってきたノウハウがリゾート施設を買い受けることで、よりシナジーを創出できると期待され、今回のリゾート施設にご関心をいただきました。業界としては建築資材卸と建築業になります。そして、本案件のスキームとしましては、事業譲渡になります。
不安と課題、両方あるのですが、まず運営されていたリゾート施設は、どちらかというと若い方から比較的小さいお子様連れのご家族向けの施設でした。
オーナーは70歳近い方だったため、自分の感性が 若い世代の方々に対応したリゾート運営には適してきてないのではいかと、年齢的な不安をかかえていらっしゃいました。
課題としては、リニューアルや新しいアトラクションの導入などが遅れていたことや、オープンから40年近く経っていたため施設の老朽化が挙げられます。 資金もかかることですし、どこから優先順位をつけて取り組んでいくのかも含めて、リニューアルや新たな施設の導入は課題となっていました。
幅広く買い手様へアプローチをしていきました。最初は大手のリゾート関係やホテル関係の事業を行っているような企業に当たったのですが、軒並みお断りにあってしまいました。 そういった既存事業者様には、なかなか魅力を感じることができない施設なのかなと感じ、幅広く業界を広げてアプローチしたところ、関心を持っていただける買い手様を見つけることができました。
大手のリゾート関係の企業やホテル、観光関係の企業には残念ながらあまり関心を示していただけないようなディールだったため、そのまま同業にアプローチしても難しいと判断をし、幅広い業種にターゲットを広げて アプローチを行ったところが1番苦労した点です。
売り手様のリゾート地は山間部にあり、山の斜面を利用した敷地の形状になっており、またすぐ近くに川が流れておりました。買い手様にこのような自然の景観の良さに魅力を感じていただき、十分テコ入れの余地があると判断をいただきました。譲渡するリゾートについて、そのエリアの豊かな自然など魅力を感じてくださる買い手様に出会えたことが成功の大きな要因になったと思います。
ずっと赤字を継続していた事業だったのですが、売り手様は今回の事業譲渡によって赤字を抑えることができるようになり、経済的な面で満足されていました。
また、従業員の雇用に関して、特に正社員の従業員を雇い入れていただいた点にも満足されていました。
PMIにおいては売り手様も買い手様に対してノウハウを提供するなど積極的に協力されており、また私の方でもサポートを行っています。
ですので私も含め、継続的に売り手様、買い手様、で連携を取りながら事業を良くしていこうと走り続けることができております。
M&Aのご検討において、我々のようなアドバイザーをご選択いただくときに、できるだけ多くのM&Aアドバイザリー企業やアドバイザーの話を聞いていただきたいと思います。
決して、アドバイザーが所属してる会社規模やネームバリューなどでご判断するのではなく、1人1人のパーソナリティをご判断いただくのがいいのかなと思います。
株式会社アライアンス
株式会社HACILA
株式会社YKフューチャーコンサルティング
売手様はほぼ同じ経営陣でリゾート事業を数十年続けており、時流に即していない運営になってきていることに課題を感じられていました。
買手様は建築資材の製造販売と施工を手掛けられていましたが新規事業として別荘地をはじめリゾート開発分野への進出を強く望まれており、本案件に対し非常に高い関心を示していただきました。
本案件は運営会社の業歴が長く、関連会社間の債権債務をはじめ不明瞭債権が存在すること、対象のリゾート施設が所有地と借地にまたがっていること、など買手に将来のリスク負担が生じる懸念があるため株式譲渡では難しいと判断し、協議を重ねた結果、事業譲渡、不動産売買、それを包括する基本合意の3種の契約を締結することでまとめることができました。