大木 俊郎
茨城県つくば市二の宮1-2-2大木様: 2019年6月に現在の会社を起業いたしました。
それ以前は、日本の保険会社に21年間勤務しており、主に中小企業や零細企業のお客様を対象として業務に従事していました。その過程で、生命保険を販売する手段として事業承継について学び、その知識を活かして保険商品の販売を行っていました。
保険会社は非常に競争が激しく、差別化を図るために財務についても学ぶ必要がありました。
また、保険を販売する際には、しばしばお客様である会社や経営者様の将来についてお伺いする機会があり、事業承継の問題は避けて通れない重要なテーマでした。
そのため、保険商品を販売するツールとして事業承継について専門的に勉強していたのですが、その過程で、事業承継に関わる本当の専門家がほとんどいないという現実に気づきました。
中小企業様の場合、会計士や税理士、銀行などが事業承継の専門家として関わることが一般的だと考えていましたが、実際にはそれほど深く関与していないケースが多かったのです。
そのような背景から、将来的な独立を見据え、自ら事業承継を専門的に学びました。そして5年前、独立を決意し、会社を設立いたしました。
大木様: 独立当初は、M&Aを事業承継の課題解決策の一つとして捉え、現在も登録しておりますが、M&Aプラットフォームにアドバイザーとして登録し、事業承継に特化した支援を行ってまいりました。
主に親族内承継を中心に取り組んでおり、社長様が自ら築き上げた会社をご子息様やご令嬢様に譲られる場合、会社や経営に対する双方の方向性を合わせ、その調整役としてコミュニケーションのサポートを行ってまいりました。
そのため、譲る側と受け取る側双方の意見を丁寧に伺い、円滑に承継が進むようなコンサルティングを提供することが、私の強みとなっております。簡潔に言えば、双方の調整を適切に行うことが強みです。
また、長年にわたり保険業界に従事してきた経験から、通常の会話では困惑されるような生死に関わる質問を投げかけることができるのは、保険営業職ならではの特長です。
このため、相手の深い部分にまで踏み込んで話を伺う力を備えていることも、私の強みの一つです。
加えて、債務超過や赤字の企業様に対して強いことです。
企業の売却依頼をいただく際、売却理由を伺うと、資本提携を希望している、お金が足りない、借金が返せないといった理由が挙げられることがあります。しかし、借金返済後についてお尋ねすると、会社を継続したいという回答が返ってくることもあります。
借金が多い場合には債務を切り離さなければ売却が難しいですし、利益が出ていない場合には誰も買いたがりません。
そのため、会社を売却できる状態にすること、また、M&Aができない状況であれば会社の廃業という選択肢も考慮しながらお手伝いすることが私の強みです。
大木様: 社長様によって異なりますが、まずはどのような経緯で会社を設立されたのかをお伺いするようにしております。
ご自身で築き上げてきた思い入れのある会社を、ご子息やご令嬢に譲る場合、あるいは後継者がいない場合には、M&Aという選択肢も考えられます。
そのため、社長様の本音や思いをどのように引き出すかを常に念頭に置きながら取り組んでおります。
ご支援させていただく会社様は、家族経営や規模の小さい企業が多く、経営方針には利害関係のあるご家族の影響が関与します。
また、取引先様も零細企業が多いため、会社を売却する際には、関係者全員が納得し、皆様が幸せな結果を迎えられるよう心がけて取り組んでおります。
大木様: 独立してからまだ1年も経たない頃、大手銀行系の仲介会社に案件を依頼されている社長様を紹介されました。
当時は、業界全体が「適当」と表現するには言い過ぎかもしれませんが、誰でも参入できる状況でした。現在では、買い手を探す段階での費用が無料で、成約報酬や成果報酬として対価を支払うのが主流ですが、その頃は、買い手を探す段階で高額な費用が発生するのが一般的でした。
そのため、社長様は買い手を探すために高額な費用を支払ったものの、仲介会社がなかなか相手を紹介してくれない状況に直面し、私がご支援させていただくことになりました。
買い手会社を探しながら社長様のお話を伺うと、後継者がいないことも一因ではありましたが、何よりも自ら経営していく意欲を完全に失われてしまっていることがわかりました。
自ら会社を経営されている有名な社長様であったのですが、そのような方でも自分の会社を売却したいという気持ちに至ることがあるのだと感じ、とても印象に残っております。
大木様: 最近の趣味はYouTubeを見ることで、寝る前に必ず1時間ほど視聴しています。
現在の阪神タイガースの大山悠輔選手が、私の母方の実家である茨城県出身であるため、彼の活躍が身内のように気になり、YouTubeで毎日チェックしています。
また、仕事柄さまざまな同業者や経営コンサルタントのYouTubeチャンネルも拝見しております。
それ以外では、付き合いでゴルフも楽しんでおります。
大木様: M&A業界は玉石混交の世界で、私も登録しておりますが、国もM&A支援機関登録制度を導入しております。
M&Aには仲介とFA(ファイナンシャル・アドバイザー)の役割があり、仲介業を不動産業に例えると、不動産会社が売り手と買い手をつなぐ役割を担うものです。
しかし、買い手はできるだけ安く購入したいと考え、一方で売り手はできるだけ高く売りたいと望むため、よく考えると両者の利益は相反しています。
M&Aにおいても同様で、売り手は会社をできるだけ高く売りたいと望み、買い手はできるだけ安く購入したいと考えます。しかし、仲介会社は両者をつなぐだけで手数料を得るため、その仕組みに対して疑問を感じることがあります。
結果的に高く売却し、会社を良い状態でお渡しできれば良いのですが、そのような仲介会社や専門家の話を過信してはいけないというのが私の持論です。
そのため、多くの仲介会社が存在する中で、セカンドオピニオンのような存在として弊社がサポートできればと考えております。
また、先ほどお話ししていませんでしたが、コンサルティングとしてご支援させていただいている会社において、株主様が会社を売却してしまった事例もございます。
社長様が代表取締役を務めていましたが、もともと存在していた債務の連帯保証が解除されず、買い手側は資本を投入して経営を継続させようとしていました。しかし、本年度の資本投入のお願いが断られてしまいました。
M&Aは、ほとんどの場合、一生に一度あるかないかの大きな出来事であり、失敗は許されません。そのため、十分な注意が必要です。
大木様: 債務超過で利益が出ていない状況では、追い詰められ、視野が狭くなってしまう方が多く見受けられます。
そのような状況に陥った際は、一人で悩まずに、専門知識を持つ専門家に相談することが重要です。また、専門家は一人に限らず、複数の専門家に相談することが望ましいと考えます。
言い出しづらいことかもしれませんが、プライドを捨てて周囲に現状を共有することで、自然と多くの情報が集まるものです。
しかし、それを実行するのは容易ではないため、もしお困りの際には、ぜひ私にご相談いただければ、解決に向けたご提案をさせていただけるかと思います。
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