売り手様は、田園調布発のスイーツのブランド「コムパリ」を立ち上げられた会社です。次のステージへ事業を進めていくために、M&Aを選択されました。
買い手様は、お菓子の製造を手がける会社です。
売り手様は、弊社にご相談いただく前に約80社のM&Aの仲介会社にお声がけをされ、その中から3社ほどに絞って具体的に相談を進めておられました。しかし、提案された買い手候補の多くが、「経営のレベルを一歩高めたい」という売り手様の思いに合致せず、不安を感じながら進められている状況でした。
このような状況の中でご相談をいただき、弊社では少し規模の大きな事業会社やPEファンドがしっかり経営管理を行っている事業会社を候補としてご提案しました。その中で特に興味を持たれたのが、PEファンドが支援する「ロピア」という会社でした。
コムパリ様は、百貨店に販路を持つブランドとして事業を展開されていました。一方、ロピア様はもともとコンビニのスイーツを手がけており、百貨店への販路拡大を考えているタイミングでした。双方のニーズが合致したことが、一つの大きなポイントでした。
また、ロピア様はしっかりとした経営管理体制を構築されており、「夫婦で営むビジネスを次のステージへ進めたい」という思いを叶えられる会社だと、ご判断いただくことができました。
売り手様は経営レベルの向上を望まれていたため、弊社のネットワークやリサーチを基に、ニーズに合致する最適な買い手候補をご提案いたしました。
弊社では、マッチングはM&Aのプロセスのごく一部だと考えています。特にPEファンドが出資している事業会社は非常に合理的かつロジカルに経営をしており、そのロジックに適合しなければ検討に乗りづらくなります。
また、買い手様もM&Aのプロフェッショナルであるため、売却価格を最大化するためには、希望価格を正当化するロジックが不可欠です。PEファンドにも理解しやすく買い手企業にフィットするロジックを売り手様と一緒に作りあげるところからご支援できたことが大きなポイントだったと考えています。
1つ目は、弊社が売り主様の価値最大化に専念して買い手様から手数料をいただかない形をとったことにより、本当に価値を最大化できる買い手様とのM&Aをご支援できました。
2つ目は、売り手様が疑問を感じながらも、弊社を信じて選んでくださったことです。初めてお会いした際に、「我々はFAであり、仲介とは違う」ということをご説明したのですが、売り手様は「どちらでもいい」というご様子でした。恥ずかしいお話なのですが、当初は「理屈っぽい人たちだな」と煙たく思われていたようです。
それでも、FAがどのような価値の出し方ができるのかをお示しした結果、「仲介しか知らなかったけど、FAという選択肢もあるんだね」と、ご理解いただくことができました。
売り手様が当初は疑問を感じながらも弊社を選んで最後まで信じくださったことで、お互いの信頼関係も深まり、最終的な成功に繋がったと思います。
売却価格はもちろん、買い手様が経営をしっかりと引き継ぎ、事業を成長させている点にも大変喜んでいただいていると思います。
また、プライベートの面では、お子様3人の子育てにしっかり時間を取れるようになったことにご満足いただいています。これまでご夫婦で経営をされており、事業を成長させたい一方で、子育てにももう少し時間を割かなければいけないと感じていたそうです。M&Aによって経営を引き継げたことで、子育てに十分な時間を確保できるようになり、喜ばれていました。
M&Aの目的や優先順位をある程度明確にして意思決定を行うと、満足のいく結果を得られると思います。我々は売り手様が考える優先順位や目的をしっかりヒアリングしながらご支援いたしますので、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
また、「FAは大規模な案件しか扱わない」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、我々は数十億円規模の案件だけでなく数億円規模の案件もご支援しておりますので、お気軽にお声がけいただけると嬉しいです。
株式会社ファイナンス・プロデュース
売主様はご夫婦で事業を成長されて黒字経営されていましたが、3人目の子供も生まれたばかりで、更なる事業成長のために、経営ノウハウ・リソースが豊富な企業とのM&Aという選択肢も考えたいという背景でした。
アドバイザーについては、経済産業省が公表している「中小M&Aガイドライン」で「買主は譲渡対価が低い方が望ましいという状況で、M&A仲介業者はリピーターになりやすい買主の利益を優先するように動く構造的な問題がある」と指摘されていることから、売主と経済的インセンティブが一致する売主専門のセルサイドFAを選ぶ方が合理的だと考えられました。
結果として、M&A仲介業者から当初伝えられていた売却金額等の期待値は、売主専門のFAであるFIPと一緒に交渉した結果、当初の約1.5倍の売却金額で複数の買主候補が競る形となりました。
その中で、売却の目的の一つとして重視していた、「事業を更に成長させる買主」として著名なプライベート・エクイティ・ファンドの投資先に会社売却を実施しました。
売主様は売却目的に沿った相手に期待よりも高値で売却できたと喜んで下さりましたことを弊社としても嬉しく思います。
ただ、売主専門のセルサイドFAとしての弊社の考え方は、実務及びファイナンス理論のいずれにおいても合理的に正当化しうる経済条件にて、高値で売却した、というよりは、実現可能な価格よりも安値で売却せずに済んだ、ということは、売主様にもご説明しました。