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M&A Lead株式会社取締役 COO澤野 太暉Profile株式会社キーエンスにて製造業向けに、自動化・省力化・生産性向上に関するコンサルティングセールスに従事。その後、株式会社M&Aコンサルティングに転じ、M&Aアドバイザーとして美容業、卸売業、物流業、製造業、人材紹介事業、IT業など数多くのM&A仲介実績を残し、2023年当社に参画。早稲田大学商学部卒業。
澤野さんはM&Aアドバイザーの統括をしていらっしゃると思いますが、そもそも売主様にとってM&Aはどのような意義があるとお考えでしょうか?
澤野
売主様にとってM&Aは、単なる「会社売却」というお金の取引ではなく、人生に多大な影響を与える意思決定だと思います。
たとえば、
- 後継者不在のなかで、社員や取引先の未来を守るための選択肢
- 事業の一部を売却して、グループ全体をより強くするためのポートフォリオ戦略
- 経営者ご自身が「第二の人生」に踏み出すための出口戦略
といった、人生・経営の節目に寄り添う手段がM&Aです。
また、M&Aを通じてより相乗効果のある大きなグループに入ることで、事業が次のステージに進んでいくケースも多くあります。オーナー経営者の方にとっては、「自分が築いてきた事業を誰に託すのか」を決めるプロセスそのものが非常に重要です。
だからこそ、数字の条件だけでなく、理念やカルチャーのフィット、従業員・お客様への影響まで含めて伴走することが、私たちFAの責任だと考えています。
ありがとうございます。M&ALead社のM&A支援事業について詳しく教えていただけますか?
澤野
当社は、いわゆる「M&A仲介会社」ではなく、「売主様専属のM&Aアドバイザー(セルサイドFA)」として活動している会社です。最大の特徴は、売主様の利益だけを見て動くことを前提に、最初から最後まで一気通貫でご支援する点です。
また、買い手企業とのマッチングを、自社に閉じず独自のネットワークを保有しており、他社のM&Aアドバイザーや買い手側FA、地方銀行のM&Aチームとも連携しています。これにより、特定の一人のアドバイザーの人脈に依存するのではなく、複数のアドバイザー・金融機関のネットワークを束ねて、より多く・より適切な買い手候補にアプローチできる体制を整えています。
料金体系は完全成功報酬制で、M&Aが成約するまでは売主様から一切の報酬をいただきません。一般的なM&A会社では、着手金や中間金、月額報酬などがかかるケースも多いのですが、当社は「売却が本当に実現して初めて成功報酬をいただく」という設計にしています。
当社では「売主様第一主義」を徹底しておりますが、これは単なるスローガンではありません。ビジネスモデルとプロセス設計そのものを、売主様ファーストになるように組み直しているという意味です。仲介モデルのように、売主様・買い手様の両方から手数料をもらう構造では、どうしても利益相反のリスクが生まれてしまいます。そのリスクを回避するため、当社はあくまで売主様側だけをクライアントとし、「いくらで、どのような条件で、誰に会社を託すのが最善か」という観点で、ストレートに助言・交渉させていただきます。
売主様の専属FAとして、売主様の利益(ここでいう利益は経済的な利益以外の利益も含みます)を追求することを前提に、スキーム検討、バリュエーション、候補先リストアップ、アプローチ、条件交渉、最終契約のクロージングまでを一気通貫でご支援します。
ありがとうございます。“独自の買い手ネットワーク”というのはどんなものか、またそれが交渉や案件成立にどのように結びついているのかお話し頂けますか?
澤野
当社のネットワークは、大きく分けて二層構造になっています。
1つ目は、M&A仲介会社・ブティックのネットワークです。
他社のM&A仲介会社のアドバイザー様や、買い手専属のFA様など、業界の実績・経験豊富なアドバイザーの方々と、会社の垣根を越えて連携しています。これにより、「一社の中にある買い手リスト」ではなく、複数社・複数アドバイザーのネットワークを束ねた広い買い手候補のプールを活用することができます。
さらに、当社では自社メディアとして、「会社・事業売却に最適なM&Aアドバイザーを無料で探せるプラットフォーム“M&Aプロ”(https://ma-pro.com/)」を運営しています。全国各地のM&AアドバイザーやM&A事例が集約されており、売主様の業種やエリアに合った専門性の高いアドバイザーとのマッチングを支援するとともに、アドバイザー同士の連携・情報共有のハブとしても機能しています。こうした自社メディアとアドバイザーネットワークを組み合わせることで、案件ごとに最適な買い手候補へアプローチできる体制を構築しています。
2つ目は、金融機関ネットワークです。
全国各地の地方銀行のM&Aチームを中心に、連携実績のある金融機関はすでに20行を超えています。金融機関と連携してM&Aを進めるメリットとしては、各行の与信先企業群に対して、銀行側からご提案できるため、シナジーが見込める戦略的買い手候補にアプローチしやすいことが挙げられます。
また、金融機関は資金調達の支援もできることから、最終局面で「買い手企業が資金調達できなかった」という事態に陥るリスクを極めて低く抑えられることも大きな強みです。結果として、条件面だけでなく「確実にクロージングまでやり切れる買い手企業」を選びやすくなり、売主様ファーストのM&Aを実現しやすい土台になっていると考えています。
この二層のネットワークを前提に、プロセスレターを用いた簡易的なオークション型のプロセスを組むことが多く、複数の候補先様からご提案(オファー条件)を出していただくことで、「価格・条件の最大化」「プロセス主導権の確保」「スケジュールの統制」の3点を実現しやすくなります。
結果として、「たまたまとある一社と出会えたからその会社に決める」のではなく、複数の選択肢の中から、納得してお相手を選んでいただけることが、売主様の満足度にも直結していると感じます。
複数の選択肢の中から納得して選べる、というのは売主様にとって大きなメリットですね。少し視点を変えて、アドバイザーの方々自身にとってM&ALead社のアドバイザーとして仕事をすることによる強みやメリットはどんなことでしょうか?
澤野
一番の魅力は、「売主様のためだけに、プロとして筋の通った提案・交渉ができる環境」だと思います。
仲介モデルの場合、どうしても売主様と買い手様の間でバランスを取らなければならず、「本当はこうした方が売主様のためになる」と分かっていても、言い切りづらい場面があります。対して、当社では売主様専属FAとして、腹を割って本音で助言ができるので、仕事の納得感が非常に高いです。
また、組織面では、起業経験者・メガバンク出身者・M&Aブティック出身者など、バックグラウンドの異なる多様なメンバーが在籍していることや、一人で案件を抱え込むのではなく、チームでレビューしながら案件を進めるスタイルであることが大きな特徴です。
若手のうちから、案件の源泉獲得からクロージングまでを一気通貫で経験できるので、スキルの立ち上がりはかなり早いと思います。「売主様に真摯に向き合いながら、自分もFAとして成長していきたい」という方には、非常にフィットする環境だと感じています。
「売主様に寄り添いたい」と考えているアドバイザーの方々にとって非常に魅力的な環境と言えそうですね。次に社内についてもお伺いできればと思います。M&ALead社は「One Team」文化を掲げていますが、どんなカルチャーですか?ご自身が日々感じられるところも含めて教えてください。
澤野
当社の「One Team」という言葉には、「案件を個人のものにしない」「会社としてベストな提案をする」という意味合いが込められています。
具体的には、
- 案件ごとに複数メンバーでディールレビューを行う
- 源泉・バリュエーション・ストラクチャー・ドキュメンテーションなど、得意分野を持つメンバーがフラットに意見を出し合う
- 「誰の案件か」ではなく、「どうすれば売主様にとってベストか」で議論する
といった文化が根付いています。
一方で、「One Team」と聞くと、若手の方は「雑用だけ任されて、主担当やフロントは上司が全部やるのでは?」と不安に思われるかもしれません。M&A Leadでは、そこは真逆で、若手にも早い段階からフロントに立ってもらう方針です。
M&A業界は、ともすると「個人商店」になりがちですが、当社は組織としてナレッジを蓄積し、それを次の案件・次の世代に渡していくことを大事にしています。「One Team」は、若手の成長機会を奪う言葉ではなく、責任ある経験を積みながらも、一人で抱え込まなくていいようにするための価値観だと捉えています。
その意味で、「One Team」は単なるスローガンではなく、案件の進め方と、メンバーの育て方の両方を規定するカルチャーだと感じています。
「売主様第一主義」という点において、事業とカルチャーに一貫性があるというのはアドバイザーの方々自身も動きやすそうですね。次に、M&A業界の現在と未来について、澤野さん自身の視点からお話しいただけますか?
澤野
日本全体で見ると、事業承継・M&Aのニーズは今後も高まっていく一方で、M&A支援の質や透明性に対する社会からの目線も、確実に厳しくなっていくと思っています。
中小M&Aガイドラインの改訂や、注意喚起事例の公表などを通じて、仲介行為に潜む利益相反への問題意識が広がっています。
そのなかで、M&A Leadは、売主様専属FAであることや、アドバイザー・金融機関を束ねるネットワークハブであるといった特徴を活かし、「一社のM&Aアドバイザリー会社」というよりは、業界全体をつなぐインフラに近い存在を目指しています。
一仲介業者として案件をこなすのではなく、M&A業界全体がより健全で、売主様・買い手様・アドバイザーの三方よしになるようなエコシステムづくりに貢献していきたいですね。
澤野さんが考える、M&A Leadに入社を考える方に求めている要件で重要なものは何だと思いますか?
澤野
一番大事なのは、「売主様のために正しいことをやり切る」というスタンスです。短期的な数字だけを追うのではなく、中長期的に見て「この提案で本当に良かったのか」を自分に問い続けられる方と、一緒に働きたいと思っています。
その上で、敢えて当社で活躍しているメンバーに共通している要素を挙げるとすれば、以下の3つです。
- ファクトとロジックで物事を考えられる分析力・構造化力
- 経営者の本音を引き出し、ともに悩みながら進めていけるコミュニケーション力・傾聴力
- まだ小さな組織だからこそ、仕組みづくりや新しいチャレンジを楽しめるゼロイチ志向
M&Aの経験があるに越したことはありませんが、それ以上に、「この業界をもっと良くしたい」「売主様にとって本当に良いM&Aを増やしたい」という想いを持っているかどうかを重視しています。
ありがとうございます。動機や業界に対する課題意識が重要とお考えなんですね。最後に、M&A業界を志す方やM&A Leadへの応募を検討されている方へのメッセージをお願いします。
澤野
M&Aの仕事は、華やかに見える部分もありますが、実際には地道な準備と粘り強い交渉の連続です。ただ、そのプロセスを経て、オーナー経営者の方から「この会社に託してよかった」「あなたにお願いしてよかった」と言っていただけたときの喜びは、他では得難いものがあります。
M&A業界全体としても、これから質の面での変革期を迎えます。売主様第一主義のFAモデルや、業界横断のネットワーク、テクノロジーの活用など、新しい取り組みが求められるフェーズです。その変化のど真ん中で、自分のキャリアとスキルを磨いていきたい方にとって、M&A Leadはきっと面白いフィールドになると思います。
「売主様にとって本当に良いM&Aとは何か?」を、一緒に考え、形にしていきたい。
そんな想いに共感していただける方と、お会いできるのを楽しみにしています。