M&A Lead > コラム > M&A > M&Aにおける弁護士の役割とは?業務内容や費用相場を徹底解説
公開日:2024年11月13日
更新日:2024年11月13日

M&Aにおける弁護士の役割とは?業務内容や費用相場を徹底解説

M&Aにおける弁護士の役割とは?業務内容や費用相場を徹底解説の見出し画像

M&A(企業の合併・買収)は、企業成長や事業拡大のための重要な手段ですが、法的リスクや複雑な契約が絡むため、専門知識を持つ弁護士のサポートが欠かせません。特に、取引のスムーズな進行やリスク回避を図る上で、経験豊富な弁護士の関与が成功の鍵となります。

本記事では、弁護士の役割や依頼するメリットについて詳しく解説します。

M&Aにおける弁護士の役割

M&A(企業の合併・買収)において、弁護士は法的なリスク管理や契約書の作成、交渉代理など幅広い役割を担います。M&Aは、法的リスクや多額の資産移動、複雑な契約が絡むため、弁護士の専門知識が必要不可欠です。ここでは、弁護士が果たす具体的な役割について、各ポイントに分けて解説します。

法的リスクの特定と助言

弁護士の最大の役割は、法的リスクの特定と、それに対する具体的な助言です。M&Aでは、株式の権利内容や契約におけるリスク、知的財産権の許認可、訴訟や紛争、さらには独占禁止法に関連するリスクなど、多岐にわたる法的な懸念が発生します。弁護士はこれらのリスクを検出し、対策を講じることで、取引後の問題を未然に防ぎます。

特に、法務デューデリジェンス(企業買収前の法的調査)は欠かせないプロセスです。売り手企業が抱える法的リスクを洗い出し、その情報を契約書に反映させることで、取引後の法的トラブルを回避します。また、買収防衛策や法的スキームの提案も弁護士の役割の一環です。

契約書作成とレビュー

M&Aでは、意向表明書や基本合意書、株式譲渡契約書など、複数の契約書が必要になります。契約書は法的拘束力があるため、内容に不備があれば後に法的トラブルを引き起こす可能性があります。弁護士は、これらの契約書の作成やレビューを通じて、法的リスクを最小限に抑え、契約内容が適正かつ法的に問題がないかを確認します。特にM&Aの経験豊富な弁護士が関与することで、契約書の不備による取引の失敗を防ぐことができます。

交渉の代理

M&Aにおいて、売り手と買い手の条件交渉は極めて重要です。特に、契約条件や売却価格、取引後のリスク管理に関わる交渉は、法的な知識が必要な場面が多いため、弁護士が代理人として交渉を進めることが一般的です。交渉は法的事務に該当するため、弁護士法により弁護士のみが報酬を得て代理業務を行うことが許されています。弁護士は、これまでの法的知識と交渉経験を生かし、取引がスムーズに進むように支援します。

書類作成や手続きのサポート

M&Aには、クロージング(取引完了)までに多くの法的手続きが発生します。弁護士はこれらの法的手続きをサポートし、必要な書類の作成を行います。たとえば、株式譲渡や組織再編に関わる書類を法に則り作成し、タイミングを守って手続きを完了させることが求められます。これにより、取引が法的に問題なく実行されることが保証されます。

M&Aアドバイザー業務

M&Aでは弁護士だけでなく、公認会計士やM&Aアドバイザーなどの専門家も関与します。アドバイザーは案件のコーディネートやマッチング、企業価値の算定などを担当し、案件をスムーズに進行させる役割を果たします。弁護士は、法的な側面からアドバイザーと連携し、法務面のリスク管理を担当します。特にM&Aの知見や経験を持つ弁護士を招聘することは重要で、アドバイザーのネットワークを活用して適任の弁護士を見つけることが成功のカギとなります。

公認会計士・税理士との違い

M&Aには、法務・財務・税務の各分野の専門家が連携して関与します。弁護士は法的リスクの管理を担当し、公認会計士は財務デューデリジェンス(財務データの精査)や企業価値算定を行います。税理士は、税務デューデリジェンスや税制上有利なスキームの提案を担当します。三者はそれぞれの専門性を発揮し、必要に応じて連携しながらM&Aを成功に導きます。

会社売却や事業承継など、M&Aに関するお悩みは、ぜひM&A Leadへご相談ください。

当社は「完全成功報酬制」を採用しており、譲渡が成立し譲渡対価が入金されるまでは一切料金をいただきません。お気軽にご相談いただけます。

また、知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで、売主様に徹底的に寄り添いサポートいたします。

さらに、当社のアドバイザーだけでなく、当社が運営するM&Aアドバイザー紹介プラットフォームにご登録いただいているM&Aアドバイザー様のネットワークも活用可能なので、どのような業界・業種の案件にもご対応可能です。

当社はこの強みをフルに活用して、M&Aをお考えのオーナー様に徹底的に寄り添い、売却成功までサポートいたします。

無料相談は随時お受けしておりますので、お電話・Webよりお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ用ボタン

弁護士に依頼するメリット

M&Aを進める際には、法的リスクや取引の複雑さから、専門的な知識を持つ弁護士の関与が非常に重要です。ここでは、弁護士にM&A業務を依頼する主なメリットを詳しく解説します。

交渉力の強化

M&Aの交渉において、弁護士を代理人として交渉に参加させることで、相手企業に対する交渉力が大幅に強化されます。特に、資金力や企業規模が大きい買い手企業に対して、売り手が不利な立場に立たされることがよくあります。このような場合、弁護士の専門的なサポートにより、売り手の利益を最大限に守り、交渉を有利に進めることが可能です。

さらに、仲介会社やファイナンシャル・アドバイザーが取引を主導する場合でも、弁護士の助言を受けることで、業者に対するセカンドオピニオンを得ることができ、自社の立場をより強固に守ることができます。

紛争の早期解決

M&Aに伴う取引では、時に相手企業や株主、さらには従業員や債権者との間で紛争が発生することがあります。こうした場合、弁護士を介入させることで、紛争を迅速に解決し、問題がさらに大きくなる前に収束させることが期待できます。

弁護士は、訴訟や裁判に進展する前に問題を解決するための交渉を行い、レピュテーションリスクの回避や、企業間の信頼関係の維持にも大いに役立ちます。問題が拡大する前に迅速に対処できることは、企業にとって大きなメリットです。

法的トラブルの未然防止

M&Aにおいて、適切に契約書が作成されていなかったり、法的な手続きを踏まなかったりすると、後でトラブルが発生するリスクがあります。例えば、M&Aの手続きでは、秘密保持契約(NDA)や基本合意書、最終契約書など、複数の重要な書面が作成されますが、これらに不備があれば、取引が成立しなかったり、後々の紛争に発展する可能性があります。

弁護士に依頼することで、これらの契約書の作成やチェックが専門的に行われ、法的トラブルを未然に防ぐことができます。

許認可手続きのサポート

M&Aには、業種や取引内容に応じてさまざまな許認可が関与することがあり、これらが適切に取得されていないと、取引自体が成立しないこともあります。弁護士は、事業に必要な許認可の取得手続きをサポートし、法的に問題なく取引を進めるための支援を行います。

特に、独占禁止法や金融商品取引法の遵守に関する手続きが必要な場合、専門知識を持つ弁護士が関与することで、取引の円滑な進行が保障されます。

M&Aにおける弁護士が担う業務

M&Aのプロセスでは、複雑な法的問題や契約が発生するため、弁護士が担う役割は非常に重要です。ここでは、M&Aにおける弁護士の具体的な業務内容を6つに分けて解説します。

M&Aにおける弁護士が担う主な業務としては、「M&Aアドバイザー業務」、「M&A仲介業務」、「FA(フィナンシャルアドバイザー)業務」、「M&A関連法務」、「M&A顧問担当」、「労務管理」があります。これらの業務の内容について、詳しく解説していきます。

M&Aアドバイザー業務

M&Aを進める上で、法務や財務、契約などの専門知識は不可欠です。弁護士は、経営者の代理としてこれらの領域に関与し、特に交渉や法的リスクの回避を支援します。経験豊富な弁護士であれば、交渉の場で強力なサポートを提供し、円滑に取引を進めることが可能です。

M&A仲介業務

M&Aの仲介業務では、売り手と買い手の双方の利害を調整し、取引の成立をサポートします。弁護士は中立の立場から交渉を行い、取引が公正かつ適切に進行するようにサポートします。両者の意見の調整を図り、適切な契約条件を整えることが可能です。ただ、M&A仲介業務を行っている弁護士は非常に少なく、M&Aの仲介業務はM&A仲介会社に依頼し、M&Aに関連する法務を弁護士に依頼するケースが一般的です。

FA(フィナンシャルアドバイザー)業務

FA業務は、特定のクライアント(売り手または買い手)と契約し、その利益を最大化することが目的です。FA契約では弁護士がクライアントの立場に立ち、交渉を行い、取引がクライアントに有利な条件で進行するよう支援します。しかし、一方的な主張が強すぎると交渉が難航するリスクもあり、弁護士のバランス感覚が求められます。ただ、M&A仲介業務同様、FA業務を行っている弁護士は非常に少なく、FA業務は専門家に依頼し、M&Aに関連する法務を弁護士に依頼するケースが一般的です。

M&A関連法務

M&Aには多くの契約書や書類が関わりますが、その作成や内容の確認には専門知識が必要です。弁護士は、法務デューディリジェンスを通じて契約の適法性やリスクを検証し、必要に応じて契約書の作成や修正を行います。これにより、トラブルを未然に防ぎ、M&Aを円滑に進めることができます。

M&A顧問担当

企業の内部情報や機密情報がM&Aにおいて漏洩するリスクは避けられません。弁護士を顧問として契約しておくことで、これらの情報が適切に保護され、企業が安心して取引を進めるための法的サポートを受けることができます。さらに、経営に関するあらゆる法的問題についても、弁護士の助言を求めることが可能です。

労務管理

M&Aによって従業員の労務条件が変更されることがありますが、この労務条件の統一には法的な知識が必要です。弁護士は、労務条件の確認と調整を行い、必要な手続きや交渉をサポートします。労働法の観点から適切な措置を取ることで、M&A後の企業運営を円滑に進めることが可能です。

弁護士に依頼した時の費用

M&Aにおける弁護士の依頼費用は、業務内容や契約形態によって大きく異なります。一般的に、スポット依頼、顧問契約、アドバイザリー契約の3つの形態に分類され、それぞれに応じた料金が発生します。

単発の依頼により発生する費用

スポット依頼は、特定の作業ごとに弁護士を依頼する方法です。依頼内容に応じて「時間制」と「固定制」に分かれます。

時間制料金については、1時間あたり数万円から10万円程度が相場となります。契約書のレビューやデューディリジェンスなどの業務において、作業時間に基づき請求されます。

固定料金では、例えば契約書の作成やレビューの場合、50万円~数百万円の範囲で費用が設定されることが一般的です。デューディリジェンスも同様で、M&Aの規模や調査範囲によって数百万円から1億円を超える場合もあります。

顧問契約により発生する費用

顧問契約を結ぶことで、M&Aに関連する法律問題について、継続的なサポートを受けることができます。この場合、月額で料金が発生し、範囲や業務量に応じて金額が変動します。この料金については、月額数万円~数十万円程度が一般的です。M&Aの進行状況や弁護士が関与する範囲によって、報酬額が変動することがあります。

アドバイザリー契約の費用

M&Aアドバイザリー契約は、着手金、リテイナーフィー、中間報酬、成功報酬という形式で費用が発生しますが、最近では成功報酬のみのケースも増加しています。それぞれの費用については以下の通りです。

報奨金内容
着手金契約の開始時に支払われ、一般的に無料から数百万円までと幅があります。
リテイナーフィー
(月額顧問料)
継続的なアドバイザリー契約で発生しますが、無料の場合もあります。
中間報酬基本合意が成立した際に一部支払うことがありますが、こちらも発生しない場合があります。
成功報酬最終契約が成立した際に発生し、成功報酬は「レーマン方式」で計算されます。

費用を見積もる際の注意点

弁護士費用は、案件の規模や依頼する業務内容により大きく異なります。また、M&Aにかかる費用は、契約書作成、デューディリジェンス、その他の法的手続きも含め多岐にわたるため、事前に詳細な見積もりを取ることが重要です。

弁護士を選ぶ時のポイント

M&Aを成功させるためには、適切な弁護士選びが欠かせません。M&A法務は専門的かつ複雑なため、弁護士によって得意分野や実績に大きな差があります。ここでは、弁護士を選ぶ際に注目すべきポイントを詳しく解説します。

弁護士を選ぶ時のポイントとして、「M&Aに関する豊富な知識と経験」、「自社の規模や事業に合った実績」、「一貫したサポート体制」、「交渉力とコミュニケーション力」、「弁護士との相性」が挙げられますが、これらポイントについて詳しく解説していきます。

M&Aに関する豊富な知識と経験

M&Aは、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、労働法など、非常に多岐にわたる法令を扱うため、弁護士には広範な知識が求められます。特に、M&Aにおいては、法務デューディリジェンス、契約書作成、交渉力が重要です。そのため、M&A案件を数多く経験している弁護士を選ぶことが成功への鍵となります。事務所全体の実績だけでなく、担当する弁護士個人の経歴や成功事例も確認することが大切です。

自社の規模や事業に合った実績

M&A案件の規模や業種によって、法的な注意点や必要な知識は大きく異なります。例えば、中小企業のM&Aと大企業間のM&Aでは、プロセスの複雑さや法的リスクも異なります。自社と同じ規模や業種でのM&A経験を持つ弁護士を選ぶことで、より的確なアドバイスやサポートを受けることが可能です。

一貫したサポート体制

M&Aは、法務、財務、税務と多方面の専門知識が必要とされる複雑なプロセスです。各分野ごとに専門家に依頼することは効率が悪く、コストも高くなりがちです。そのため、M&Aの初期段階からクロージングまで、すべてのプロセスを一貫してサポートできる弁護士を選ぶことが重要です。スムーズな取引を実現するためにも、法務以外の分野にも強い弁護士事務所が望ましいでしょう。

交渉力とコミュニケーション力

M&Aは交渉の連続です。相手企業、株主、取引先、監督官庁など多くの関係者と交渉を進める必要があります。弁護士が強い交渉力を持ち、複雑な利害関係を調整できることが成功のカギとなります。また、財務や税務の専門家、ファイナンシャルアドバイザー(FA)など、他の専門家との連携が不可欠なため、優れたコミュニケーション能力も必須です。各専門家とのスムーズな連携が、M&Aのスピードと正確性を左右します。

弁護士との相性

M&Aは短くても数か月、長ければ1年以上かかる大規模なプロジェクトです。依頼する弁護士とは、密接にやり取りを行うことになるため、相性が合うかどうかも非常に重要です。信頼関係を築ける弁護士であれば、問題が発生した際にも安心して相談でき、より円滑に取引を進めることができます。最終的には、相性の良い弁護士を選ぶことで、M&Aの成功率が高まるでしょう。

会社売却や事業承継など、M&Aに関するお悩みは、ぜひM&A Leadへご相談ください。

当社は「完全成功報酬制」を採用しており、譲渡が成立し譲渡対価が入金されるまでは一切料金をいただきません。お気軽にご相談いただけます。

また、知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで、売主様に徹底的に寄り添いサポートいたします。

さらに、当社のアドバイザーだけでなく、当社が運営するM&Aアドバイザー紹介プラットフォームにご登録いただいているM&Aアドバイザー様のネットワークも活用可能なので、どのような業界・業種の案件にもご対応可能です。

当社はこの強みをフルに活用して、M&Aをお考えのオーナー様に徹底的に寄り添い、売却成功までサポートいたします。

無料相談は随時お受けしておりますので、お電話・Webよりお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ用ボタン

まとめ

本記事では、弁護士選びのポイントや費用についても詳しく解説しました。

M&Aにおいて弁護士は、法的リスクの管理、契約書作成、交渉代理など、非常に重要な役割を担います。適切な弁護士を選ぶことで、複雑なプロセスをスムーズに進め、リスクを最小限に抑えることができますので、ぜひ本記事を参考に弁護士選びを進めてください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

M&A・事業継承のご相談ならM&A Lead

M&A・事業承継のご相談はお任せください。 経験豊富なM&Aアドバイザーが、無料でお話をお伺いし、M&Aに捉われず、ご相談いただきました会社・事業オーナー様に最適なご提案させていただきます。 まずはお気軽にお問い合わせください。

WebからM&Aアドバイザーに無料で相談する

    気になられていることや、ご相談されたいたいこと等を自由にご記載ください

    個人情報保護方針にご同意いただいた上、「送信内容の確認画面へ」ボタンをクリックしてください。

    POPULAR

    読まれている記事

      MDN