利益と地域貢献を両立!営業利益3倍の成長を実現したM&A
― 案件の概要について教えていただけますでしょうか。
複数店舗を運営されている薬局運営会社様から、不採算店舗の売却に関するご相談がありました。このような不採算店舗の売却は弊社の得意分野としている領域で多くご支援してきた実績がございます。弊社は買い手候補様の幅広いネットワークがありますので、マッチングのご依頼を受けサポートをさせていただきました。数店舗を運営されている場合、国からの点数加算の割合や調整といった制度的なプレッシャーを受けることがあります。この影響で不採算店舗の存在が経営上の大きな負担になることがあるため、やむを得えず不採算店舗の売却を検討するオーナー様が多くいらっしゃいます。本件も前述のような案件でした。
事業計画に基づく、不採算店舗の再編
― 実際に売り手オーナー様はどのような思いでM&Aを検討されていたのか教えていただけますでしょうか。
複数店舗を運営されている薬局様の場合、事業計画を年ごとに立てていらっしゃるケースが多いです。その中で、例えば「来年の3月までにA店舗とB店舗を売却する、もしくは閉店する」といった具体的な計画をお持ちの場合があります。こうした事業計画に基づいたご相談を受けることが非常に多いです。弊社では事業計画に合わせて売却や買収のご提案ご支援を行い、クライアント様のご要望に添ったサポートをご提供しております。
最適なマッチングに至るまでの重要なポイントとは?
― どのような買い手様を見つけられたかについて教えていただけますでしょうか。
まず地元の薬局様へのご提案からスタートしました。しかし、対象店舗の収益性がどうしても低く、企業としての運営が難しい状況にあったため、候補者様として、まず独立を目指す薬剤師様、次に、他の地域から新たに進出を希望する調剤薬局様、最後に異業種でこの地域に開業を計画している企業様の3つに絞って進めさせていただきました。運営手法も限られるため、売却後も医療機関との関係を良好に維持できる買い手様を重視しました。 特に今回の案件では、対象店舗の近隣に高齢者施設があり、その施設向けに薬を届けたり服薬指導を行ったりする必要があり、近隣に薬局を作る必要性がありました。そういった地域の必要性をあらかじめ知っておりましたので、数千件のリストの中から適切な買い手候補様を売主様にご提案することができました。
― 印象に残っているエピソードについて教えていただけますか?
不採算店舗の売却となると、比較的個人での運営が可能なケースも多いです。例えば、独立を希望される薬剤師の方が1人で店舗を運営する「ワンオペ」の形態であれば、店舗自体の収益構造に問題がなければ十分にご紹介が可能です。ただ、今回の案件では売り手様側が、売却後の資金回収が可能かどうかという課題がありました。そのため、売り手様側からは、まずは売却金額を現状のキャッシュで回収できる先を買い手様として紹介して欲しいというご要望がありました。加えて、個人に譲渡する場合と比べて、法人に譲渡した方が、地域や医療機関からの印象が良いため、できれば薬局運営をされている企業様をご紹介いただきたいとのご要望をいただきました。これらの売り手様のご要望に沿った買い手様をご紹介して案件が成約したことが印象に残っております。
M&Aを成功に導いた多角的な視点
―この案件が成功した要因は、どのような点になるのでしょうか。
3つのポイントがあったと考えております。今回の案件では、資金回収面が重要な課題となっておりました。どの案件でもそうですが、私たちは、買い手様の与信調査を徹底しております。与信に不安がある場合は推薦を控えることもありますが、今回はその不安をしっかり解消できたことが1つ目の大きなポイントでした。 次に、売り手様のご希望として、「企業様に譲りたい」という明確な想いがありました。この売り手様の意向を尊重し、企業様を中心にマッチングを進めたことが2つ目の重要な点でした。 そして3つ目として、買い手様の事業展開におけるご要望を正確に捉えることができたことがあげられます。買い手様は、この地域で医療インフラの一環として施設や個人在宅での調剤を展開したいという強いご希望を持っておりました。このような地域に根差したビジネスモデルを進める上で、今回の案件が買い手様のご要望に100%応えるものであったことも、大きな成功要因となりました。
売り手・買い手・地域が喜ぶM&Aに
― オーナー様とのアフターストーリーを教えてください。
今回の案件において特に印象的だったのは、買い手様が譲り受けた薬局の収益性を大幅に向上させた点です。売り手様にとって、買い手様がしっかりと経営を引き継ぎ、地域の医療サービスをさらに充実させることが一番の願いだったと思いますが、それを大きく上回る結果となりました。具体的には、買い手様が経営努力を重ねた結果、営業利益がわずか2年足らずで約3倍にまで成長しました。これは、売り手様が最初に抱いていた期待を大きく超える成果であり、売り手様からも「本当に良いお相手に譲れた」とおっしゃっていただきました。 さらに、地域における医療体制の強化にもつながったことが重要なポイントです。譲渡先の買い手様は、患者様に薬を届けるだけでなく、地域の介護施設とも密接に連携する体制を整えました。これにより、薬局と介護の連携がうまくいったことも、この案件の大きなポイントだと感じました。
― M&Aをご検討されている方々へアドバイスをお願いします。
M&A業界で本質的に薬局のM&Aを熟知した業者や個人は非常に少ないと感じております。私自身は、元々薬歴メーカーの代表を務めていた経験がありますが、薬局の実情を深く理解しながらM&A仲介を行える専門家がいないのが現状です。弊社では、薬局業界に精通した視点から本質的なマッチングを提供し、売り手様のニーズに最適なご提案を行っております。また、売り手様から手数料をいただかないという報酬体系をとっております。売却をお考えの際には、まずは弊社にご相談ください。皆様のご希望に沿った最善の提案をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。